ミス・サイゴン、オーケストラメンバーは7月9日からずっと連チャンの日々でした。稽古を重ねて世界を濃密にしていく時間です。オーケストラメンバーはまず3日間のオケ合わせ、それから役者との歌合わせ、それからシーティング(ポジション決め、楽器やミュートその他道具のセッティング、マイク位置調整)、そしてサウンドチェックを行い、そこからオケ付き舞台稽古3日間、ゲネプロ(違うキャストの組み合わせ3回)、プレビュー公演4回、そして本公演となるわけです。

レギュラーのメンバーとエキストラのメンバーが交代で演奏するのですが、この期間中はレギュラーメンバーはずっと拘束です。ブロードウェイでは「ロックイン・ピリオド」と云う拘束期間があるのと一緒です。日本の場合は限定期間公演でブロードウェイのようなオープンエンドのロングランではないのでエキストラは一人です。ブロードウェイは各ポジションに5人(それぞれが忙しいプレーヤーなのでその他にも10人以上コンタクトリストはあります)。エキストラはブロードウェイでは「sub」、ロンドンウエストエンドでは「dep」と呼ばれます。


ブロードウェイやウエストエンドではエキストラはリハーサルありません。一度オケピでパートを見て、必要なら録音して勉強して次は本番です。レベルの非常に高いプレーヤーがいる反面作品との距離がある事が多いし、たまに有名プレーヤーが地雷にハマって撃沈することもあります。笑


オレはミスサイゴンは最初のブロードウェイのロングランの最後の1~2年ぐらいレギュラーエキストラ的に何度も演奏し、レア・サロンガがクローズ前に戻ってきたときも吹いたし客として何回か観たので思い入れがあります。正直ニューバージョンの方がパートはタフで、ニューヨークのブロードウェイでやってるプレーヤーの仲間達と日本の公演数の話をすると「その回数、絶対無理だわ」と云われますが、意外と行けるものです。


UKチームの音楽スーパーバイザー、スティーブン・ブルッカーはお茶目でいかにもシアターしているムードメーカーで楽しめました。そして日本スタッフも高い意識で日々サイゴンを高めていきました。


さて、市村正親氏、東宝サイトで発表がありましたが、治療の為に今日で今シーズンのサイゴンは最後でした。それを微塵も感じさせない気迫のこもったパフォーマンスで、真の役者魂を感じました。1日も早い快復を願います。
ミスサイゴン本公演初日がやってきます。怒涛の稽古スケジュールでかなりシビアでしたが、いい感じに進んできたと思います。それではお楽しみに!
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