死中に生あり。今日は極限の疲労蓄積の中で活路を開く術が見えたと思う。そういう状況で空間に身を任せる精神の落ち着きを得る事によって芝居の空気感を感じ芝居に情景と陰影、エモーションを音楽で与えることが出来る感覚が掴めてきた。明日は「本公演」初日だが、既に我々カンパニーは全開で来てるから明日も今日や昨日と同じ。普通に全開。


海外スタッフは取り敢えず初日が明けたら帰国する。今日、ミック・ポッターの音響アシスタントのポールに、昨日オレがリクエストした改善点が今日いい感じになってきたと伝えた。ミックもポールも黙々と仕事をする職人肌だが、きっちり仕事をする。いい響きが生まれてる。


取り敢えず今の我々のサイゴンの世界は産声を上げた。海外スタッフと日本スタッフのコミュニケーションはこれだけの人数がいると時には難しい。通訳は基本的にいい仕事をしている。ただやはり思惑のギャップ、コミュニケーションの齟齬、摩擦、軋轢の性質を読んだ上で上手くケアするようにニュアンスをがっちり掴むコミュニケーションがあればさらにいい所もある。ただ、こういうハイペースなコミュニケーションの場ではなかなか難しい場合もあるし、通訳のレベルはいいと思う。


しかし、やはり今回の新演出サイゴンの目指すところ、テーマと作りはそれぞれが共通要素を持って意識を共有しているから、いい作品を作り、パフォーマンスで届ければ全ては解決すると思う。まだまだこれからだ。


でも取り敢えず、今は幸せ。


明日もサイゴンの世界へ。