はい、ミス・サイゴン、稽古にもどんどん熱が入ってきてます。今日は役者のみんなとの歌合わせ(向こうは勿論これがオケ合わせになる笑)でした。

芝居の小返しとオケ練前日の通し稽古を観に行ったときにすでにかなり練られていて情感、空気感、表現力、コントラストが大きな説得力を持って迫って来ました。聴くでも観るでもなく、「感じた」というのが正しいでしょうかね。


ニューヨークのブロードウェイでこの演目をやって以来なので長い年月が経っています。ちょうど最後の3ヶ月、レア・サロンガが戻ってきてキム役をやりました。懐かしい思い出です。

しかし、今回に際して、その思い出をリセットしました。舞台はその場で生まれるものなんです。だから演出の違いで全く同じ音符が書いてあってもそれが芝居の進行上違った意味を持つようになるときは違った表現になるわけです。


だし、ブロードウェイはロングランという事を考えるのと、ショー的要素があるので、一度決まったらそこからあまり動かないです。日本は限定期間公演というのもあるし、日本語の語感の持つ独特な情感があり、芝居が変わっていきます。それは日本でのミュージカルの魅力と最近では思います。実際日本語の語感と英語のテキスト、音符の感覚というのはある程度やはり調和させる作業が必要です。逆に日本語はディクションの点でより意識的にはっきりさせなければいけないところもあります。


そこで海外スタッフ、音楽スーパーバイザーのガイ・シンプソン、日本側のビリー山口、指揮の若林各氏が額を寄せつつどうすれば一番よいかを模索し、作り上げていきます。


今日特に印象に残ったのは笹本玲奈&知念里奈キムコンビ。それからエレンの花代ちゃん。キムコンビのそれぞれの特徴、特性からそれぞれのキム観、空間の使い方、求心力等がユニークで魅力的なコントラストを成してます。2人ともエンジン回してきました。こちらもミスサイゴンの世界の空気感をサウンドで描きます。


いい化学反応がたくさんあり、魅せられた。これから舞台の空間でどうそれらをさらに融合させ高めていくかの作業だ。


まあキムやエレンの話をしてるが、それぞれが魅力的なキャラクター作りをしていて、アンサンブルの一人一人から躍動感とドラマを感じたので、さらなる化学反応が本当に楽しみ。