さて、2時間前ぐらいに阿蘇駅に到着。着く前にデッキで待っていたら車内サービスの若い女性に話しかけられる。初々しさがあるけど、人への喋り方等の会話の機微の心得方は20代後半かな。非常に癒し系な感じで和むクローバー


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阿蘇山も色々交通手段がある。ただ、今は活動が大人しく、湯だまりのようになっているそうだ。夜間閉鎖だし。白南風の青木氏じゃないけど、夜の静寂の中に浸り、ゆったりと自然のエネルギーを感じて。ついでにラッパも響かせて。


でもこの近辺は山を囲むように広大な平らな高原の風景があって雄大である。


内牧温泉は僻地や秘境系の温泉ではない。でも何となく落ち着けるような空気がある。今回は蘇山郷に泊まることにしていた。まぁ予約したのが昨夜半だったが笑


与謝野鉄幹、晶子ゆかりの宿という。比翼歌碑が庭にある。


日本旅館の旧来の風習としては一泊二食付きの一人泊NGというのがあったが、今は一人泊、素泊まりが結構スタンダード化しつつあり、10年前に旅館に泊まりたい、と思った時より遥かにそういう意味でのアクセスは便利になったと思う。今の若い世代は多分ポチ袋に心付け入れて然り気無く仲居に渡すなんてしきたりを絶対知らないと思うし。


タクシーで10分ちょい、1500円ぐらいで内牧温泉に着く。結構町中な感じがするけど非常に静か。左手にかなり年期の入った(ボロ?笑)建物が見え、それが蘇山郷だった。


しかし、角を曲がり、入り口に着くと、そこには立派な玄関があり、タクシーが着いたらすぐにキビキビと従業員が出てきた。せかせかした感じでもなく、自然体。これでいい。


さて、記帳なんだが、写真を参照。


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そうなんです。このインク壜にペン先をつけてさらさらっと書くとなんとも言えない書き心地がする。昔、漫画家の真似事みたいに小学校一年生の時に仲間内で作ってみた竹ペンなんぞとは雲泥の差。


その後にはお茶が点てられて目の前に供される。お茶うけも上品にポンと一つ横に置いてある。


貸し切りで露天風呂が無料で50分入れる。夜の9時ぐらいに予約を。


建物には年季が入っているのだが、所謂生理的拒否感を伴うような所はない。そして要所で目立たないようにキチンと必要な改修をしてあるように見える。


自分の客室に入る。木の使い方が野趣ある感じで良さげ。内牧温泉唯一の純和風旅館かな。数寄屋造り(だよな?笑 書院造りでないのぐらいは解る)が落ち着く老舗旅館である。


庭のレイアウトが作為的ではなく心地よい自然さを持つ。風が出てヒヨドリっぽい鳴き声がする。まるで祖父母の大阪寝屋川にある家の庭を思い出すような感じ。


しかし、八畳間というのはなんと完成された世界なんだろう。旅館なんかで十とか十二とかあるけど、一人旅には八畳間または六畳間が断然ベストだと思う。余白があっては美意識の妨げになり、逆に落ち着かない、というのを今は感じる。昔は何となくバブリーな成金メンタリティーで広いと喜んでたが、今はこの間合いを愛す。


雲が多かったのが見事に晴れてきた。夕焼け雲が美しい。隣の部屋の人の声もこの日本旅館に必要な団欒のBGMなのかも知れん、と自然微笑ましい気分になる。


こういう宿に1ヶ月ぐらい泊まったら小説書けそうな気がする。


いい宿見つけたな。