1998年(平成10年 )1月

三吉演芸場は 

新装開場したでござんす

 下矢印

こけら落としには 

劇団夢の旅が……

その時の初日正午 

ドド ン!と

松井誠と

一番弟子の瞳ひろしが打つ 

『入れ込み太鼓』

から始まったのでござんす


当時の松井誠は 

大女優の山田五十鈴

に認められ 

トントン拍子に 

明治座など

大劇場で出演する 

大スターでござんしたキラキラ星


そんな大スターが

大衆演劇劇場に

嫌な顔を一つ見せずに

気持ちよく

出演に応じてくれたのでござんす👏👏👏

注意松井誠出演日は

全席指定の4000円

(その他の日は、2000円)


その月は 

連日 200人以上の

昼夜満員御礼の大入りが

千秋楽まで続く

パーフェクトに🎊🎊🎊


この記録は 

今もって

破られておらず

誰ひとりとして

この記録には

達していねぇのでござんす


松井誠が

ここまで協力してくれたのには理由がござんした


それは

三吉演芸場に対しての

感謝の念


その気持ちは

三吉演芸場創業70周年記念『三吉演芸場たより』

に自ら寄稿しておりやす


その概要は

次の通りでござんす


松井誠は

両親の劇団を飛び出し

自らの劇団を旗揚げ


その動機として

成果の見えずらい芸より

“おひねり”ばかり気になる役者にはなりたくない


大衆に愛される

娯楽劇をめざして

独自の活動を始めたのでござんした


ところが

こんな若い松井の劇団を

乗せてくれる劇場は皆無


しかも

大衆演劇の協会や組合に属していない無名の劇団


全ての劇場に

シカトされたのでござんした


その劇団を唯一

快く引き受けたのが

三吉演芸場


一回だけでなく

何回も

乗せてくれたのでござんす


松井誠は

『三吉演芸場だより』に

次の様に寄稿しておりやす


【概要】

自分の活動範囲が

広がるにつれ

ともすれば

原点を見失う事があります


三吉演芸場とのご縁が

続いているからこそ

私は“原点”を見失わない

と言う

大きな安心感を持って

芸道に精進出来ます


これからも

灯台の様に

私たちの航海を

導き通してください

と……


三吉演芸場は

儲けが主目的で

人気劇団だけを

ジャンジャン乗せる劇場

と違い

役者や劇団を育てる事にも

重きを置いているんだなぁ~

と、

あっしは思っておりやす


その姿勢は

社長が変わっても

脈々と引き継がれている

とも感じておりやす