4月17日夜の部

三吉演芸場

 

正二郎はこの芝居では豊田屋の役で有名

小泉のぼるとの共演では観せた魅せたの名演技

これ以上の魅せた「秋葉の宗太」を贔屓目なしでも

観たことがねぇ

 

その正二郎が主役の宗太をやると聞いた時に

豊田屋じゃねぇのか~

と期待していたあっしは

正直、チョイとガックリ

 

しか~し

結果は

ガックリするどころか

スッゲェー!

という結果に

 

メリハリのある台詞回し、格好良い所作

他とはダントツに違う正二郎の宗太

年齢(8月で49歳)を全く感じさせねぇ演技に

あっしはチキンスキンがスタンドアップ

恐れいりやした

 

故・小泉のぼるが若すぎる正二郎を抜擢して

この役を演らせた意図が

よ~く分かったでござんす

 

送り出しで「また観たい」と言うと

演りたいような感じでござんしたが

相手役(次郎)がいなくなるんで・・

と難しいというような事を・・

ただ、いずれゲスト(金沢つよし等)を迎えた時にやるかも?

 

なお、宗太役は、海斗と雷三を交互に演らせているのでござんす

正二郎の域に達するまでは何年、何十年かかるでござんしょうか?

 

 

【あらすじ&情景】

草鞋を脱いだ豊田屋の娘・おまち(陽子)に惚れられ

父親の豊田屋(次郎)にも気に入られた宗太(正二郎)

 

結婚話の話までトントン拍子に進む

 

この事を母に知らせるため故郷に旅立つ宗太

 

豊田屋一家の跡目を狙っていた子分の鉄五郎(海斗)は

悪い与力(春道)と共謀して

豊田屋を島流しにさせる

 

豊田屋を売ったのは宗太だと偽って・・

 

宗太は故郷から豊田屋親子が好きな蕎麦粉を持って帰って来る

 

しかし、裏切り者として追い出される宗太

娘からも裏切り者だと言われて・・

 

おまちが宗太の裏切りと信じてしまいながらも

宗太への思慕と迷いの複雑さをキチンと表現

他の劇団では、そこまでやるのは少ねぇ・・・

単純に「裏切り者!」と言い顔を背ける場面が多い

 

悔しさいっぱいで去って行く宗太・・

 

正二郎のキレの良いせりふや所作に大きな拍手

 

島流しにあった豊田屋は

謀略で罪人にされかけた息子の罪を背負って

島流しにあった女(竜子)と会う

その女は、宗太が助けた手代(大空海)の母親であった

ふたりで必ずご赦免になって帰ろうと約束するが

与力の弟(雷三)のパヮハラ続きで自殺してしまう

 

その罪を豊田屋に着せようとするが

ご赦免船で迎えに来た代官(ゲスト・黒潮次朗)に

真実を見抜かれてしまう・・

豊田屋はご赦免となるが・・

 

 

与力はお金と豊田屋の娘・おまちを手に入れ

鉄五郎は一家と縄張りを手に入れていた

 

春道の憎まれ役ながらも憎めない演技に笑い

 

そこへ与力の弟がやってくる

 

雷三の話に客席から笑いと拍手

 

豊田屋が帰って来るが

目は与力の弟に潰されていた

 

鉄五郎に罵倒され屈辱を受け

追い出される豊田屋

 

屈辱にまみれ立ち去る次郎の演技に何度も拍手

 

鉄五郎に宗太が戻って来た知らせが入る

宗太を追う鉄五郎一家、与力、その弟たち

 

見送るおまちの背後に宗太が現れる

 

この登場に大きな拍手

顔には前には無かった傷が・・

 

 

蕎麦を注文した宗太

そこへ豊田屋が蕎麦の匂いに引かれるように現れる

 

お互いに気付かねぇふたり・・

しかし・・・

 

ここからこの芝居での最大の感動の場面が・・

大きな大きな感動の拍手が・・

 

●そして見事な正二郎の所作・演技に

これまた大きな拍手が・・・

大衆芝居ならではの格好良さ

この所作は他の劇団では観たことがねぇ

会いたくてたまらなかった親分に対する愛情の深さを見事に表現

 

娘と夫婦日なったとウソを言う宗太

それを信じ喜ぶ豊田屋・・

 

しかし、悪党一味の魔の手が二人を襲う・・

 

愛する者ふたりを殺された宗太の怒りが爆発する

 

正二郎の怒りの顔での華麗な殺陣に何度も拍手が

 

昼夜観て、大感激した客も・・

 

絶対にお勧めの芝居でござんす