PEUGEOT 206 WRC 2003年WRC参戦記録①

 

【モンテカルロ】1月22日~1月26日
1:グロンホルム 206 NLL 75 13位・+33分31秒8
2:バーンズ 206 NLM 75 5位・+3分16秒5
3:パニッツィ 206 NDQ 75 SS8 リタイア

 

グロンホルムとバーンズおよびパニッツィをワークスノミネートとした。(2003年は、成績の良かった上位2台のポイントがチームの選手権ポイントとなって加算される) 2002年と同じ仕様のマシンとなるも、エンジンとデフには小変更が加えられている。コックピット内のペダルボックスは、ホモロゲーションを受けた改良型を装備。アンチロールバーはパッシブ(スノー用)とアクティブ(ターマック用)を使い分けた。事前テストは2002年12月の中旬に2週間実施。(12月13日にモナコで新カラーリングの発表会を開催)

 

ラリー序盤に大きなリードを築いたグロンホルムであったが、SS5で橋に左リヤをヒットして失速。続くSS6でも連続ベストを刻むセバスチャン・ローブにその差を削られて、Leg1を終えた。そして12秒8差(Leg2・SS8でソフトすぎたサスペンションに不満を感じタイムロス)となって迎えたSS9。スタートから6km地点でスノーパッドに乗りコースアウトを喫したグロンホルムは、リタイアを覚悟する。しかしマニュファクチュアラーズポイントの獲得を諦めないチームより戦線復帰の指示があったことから、30分以上のタイム(ダメージを負った右のステアリングロッドに応急措置を施す)を失いながらもラリーを続行。だが覇気を無くしてしまったグロンホルムは、2003年の初戦を不本意な13位で終えた。結果としてプジョー勢の最上位となったものの、バーンズの走りは精彩を欠いたものだった。Leg2でタイヤの選択をミス(選んだスリックタイヤが荒れた路面には固すぎた)して2分近くを失っては、5位のポジションをキープするのみのラリーとなった。「レッキカーのGPSが働かなくなるトラブル(プラグの差し忘れが原因)」を報告しなかったパニッツィは、スタートセレモニー直前に60秒ペナルティを科せられた。(バーンズにも同じ事が起きるも、こちらはマーシャルに報告したため懲戒処分のみ) 更にSS1で雪の下に隠れていた岩に左リヤタイヤをヒット(ホイールにダメージ、50秒をロス)し、下位に沈む。加えて体調不良(ウイルス性疾患)があっては、モチベーションが上がらずSS8後にリタイアを決めた。

 

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【スウェーデン】2月5日~2月9日
1:グロンホルム 810 NVT 75 1位・3時間3分28秒1
2:バーンズ 624 NZT 75 3位・+1分17秒9
3:ロバンペラ 814 NVT 75 SS8 リタイア

 

グロンホルムとバーンズおよびロバンペラをワークスノミネートとした。3台ともアクティブアンチロールバーは装備せず。低気温を考慮して冷却系統のキャパシティを変更。(小型のラジエターを装着) このイベントに備え10日間にもおよぶタイヤテストを実施した。

 

グロンホルムはSS2で首位に立つ(SS1のスタートでエンジンストール、ローブにベストタイムを譲る)とその座を一度も譲ることなく(コースオフを喫したSS5がステージキャンセル-コースに立ち往生となったデュバルのマシン回収が手間取ったため-となったことから、大幅なタイムロスが消える幸運に恵まれた/SS7でフロントタイヤのスタッドが全部取れてしまう感触を覚えるも、トレッド面が動いただけで済みサードベストで切り抜けた)スウェディッシュ2連勝、通算3勝目を挙げた。SS3~4でトランスミッションがロックしてしまうなどマイナートラブルに悩まされたバーンズは、激しくバトルする新旧フライングフィン(グロンホルムとマキネン)の背後を終始窺がうに止まるラリーとなった。エンジン不調を訴えながらも順調に順位を上げたロバンペラは、4位でLeg1を終えた。しかし、Leg2・SS8で前方にストップしているユッソ・ピカリストのボジアン206WRC(ステージの途中で転倒してコースを塞いでしまった)を避けきれずハイスピードで激突。この事故によりマシンが大破し、ラリーから去った。

 

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【トルコ】2月26日~3月2日
1:グロンホルム 290 NNN 75 9位・+10分52秒2
2:バーンズ 334 NQZ 75 2位・+47秒9
3:ロバンペラ 344 NQZ 75 SS13 リタイア

 

グロンホルムとバーンズおよびロバンペラをワークスノミネートとした。2002年のキプロスをベースにピカリスト(昨年のトルコラリーを経験)のフィードバックを加味した仕様。アンチロールバーはアクティブとパッシブ(ルーズな路面用)を使い分けた。エンジンのマネージメントシステムにマッピングを微調整するソフトウェアを追加。(各ステージの標高に合わせて自動的に燃料の供給をコントロールする仕様としている)

 

SS1でトップタイムを記録したグロンホルムは、操舵系のトラブル(SS3でパワステのオイルが漏れ出す)に見舞われパワーアシスト一切失ってしまう。これにより、ロードセクションでの修理(1分40秒のペナルティ)やツイスティなロングステージ-SS4-をパワステ無しで走行する(3分以上をロスした)ことになった。また、サービス(SS6前)で修理したはずの油圧系トラブルが、SSに向かう途中で再発してタイムをロス。係るトラブルが改善した後は追い上げを見せたが、上記のつまずきはあまりにも大きく9位でラリーを終えた。バーンズはパンク(SS3で2回発生)により出遅れ、更にギヤボックスの不調を抱えて下位に沈んだ。しかしライバルたちの脱落により首位グループに浮上、最終的には2位でラリーを終えた。グロンホルムとソルベルグの脱落でラリーリーダーに浮上したロバンペラは、SS8で右リヤを岩にヒット。これでタイヤを傷め、アライメントが狂った状況となりタイムロス。更にSS10でも路肩の岩をヒット。ここでのダメージは深刻で、右リヤサスペンションのストラットがタワーを貫通した状態になってしまった。それでもSS10~11を走りきりサービスで修理(ペナルティが加算された)しながらラリーを続行したが、Leg2最終のステージで再びサスペンションが壊れてリタイアを決意した。

 

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【ニュージーランド】4月9日~13日
1:グロンホルム 286 NNN 75 1位・3時間45分21秒2
2:バーンズ 952 NVB 75 2位・+1分8秒7
3:ロバンペラ 938 NVB 75 SS14 リタイア

 

グロンホルムとバーンズおよびロバンペラをワークスノミネートとした。マシンの基本仕様は、前戦トルコに準じるものとなっている。タイヤは標準となるZに加え、ソフトタイヤGW(ヘビーウェット路面での性能が向上)も使用。

 

初日7つのステージでベストタイムを叩き出した(残る2つのステージはセカンドベスト)グロンホルムは、Leg2・SS13で転倒(ジャンクションでブレーキングをミスし、スライドしながらバンクに激突。しかしダメージはボディ外板だけで済み、30秒程で復帰できた)を喫するも、それまでのアドバンテージがあり首位をキープ。結果としてブレーキフィーリングに不満を感じながらも、圧倒的なタイム差で優勝した。トップスタートの不利(砂利の掃除役)が雨(時折激しく降るコンディション)により消えたバーンズであったが、らしくないタイヤの選択ミス(Leg1・SS4において、マディな路面を警戒してタイヤにカットを施すも急速に乾き始めた路面と合わず-グロンホルムから16秒8も遅れた)があり、定位置の2位でゴール。ロバンペラは常に好タイムを刻んでいたが、ドライビングミスからコースオフ。3戦連続のリタイアとなった。

 

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【アルゼンチン】5月7日~5月11日
1:グロンホルム 206 NDQ 75 1位・4時間14分45秒0
2:バーンズ 206 NLM 75 3位・+1分12秒8
3:ロバンペラ 206 NLL 75 4位・+2分19秒3

 

グロンホルムとバーンズおよびロバンペラをワークスノミネートとした。マシンは前戦ニュージランドに準じる仕様となっているが、ダンパーは改良を受けている。標高に応じて制御プログラムの値を自動的に補正する機能を、エンジンのマネージメントシステムに付加。

 

混乱するタイム計測(ドライバーたちの納得のいかないタイムがISC社のGPSや手動時計で計測される状況が各SSで発生)に苛立つグロンホルムは、SS9のスタート直後にミスを犯して左リヤタイヤを岩にヒット。これでステージの残り24kmを3輪で走行することを強いられ、首位から転落した。(1分25秒2遅れの6位) その後も観客が溢れすぎて中止となったSS14の代替ステージがキャンセル(グロンホルムが走行後に中止)となったり、SS16が予定より1時間50分も遅れて開始されたりと、主催者側の不手際にペースを乱された。それでも限界を超えた走りで優勝戦線に復帰。サインツの失策(規定よりも早くTCを越え1分のペナルティ)やマルティンのリタイヤ(油圧低下によるエンジントラブル)にも助けられて、奇跡の大逆転を果たした。時計への不信感から集中力を乱し、しっくりと来ないハンドリングでスピードが上がらなかった初日のバーンズ。最終日にサインツを逆転して2位に上がるも、最終SSでターボを壊して3位に終わった。ロバンペラはSS17でステアリングラックを破損してポジションを落とすも、最終的には4位でフィニッシュ。
 
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