PEUGEOT 206 WRC 2001年WRC参戦記録①

 

【モンテカルロ】1月18日~1月21日
1:グロンホルム 206 NDM 75 SS2 リタイア
2:オリオール 206 NHV 75 SS4 リタイア
16:パニッツィ 206 NLL 75 SS3 リタイア

 

ワークスエントリーはオリオールとパニッツィ。前年のコルシカやサンレモと同じスペックで臨むも、シェイクダウン前にブレーキを16インチに変更。グロンホルムのみトリプルアクティブデフを使用。(オリオールとパニッツィはフロント&リヤ共に機械式) オフに走りこんだ新加入のオリオールは、モンテカルロに備えて更に1日半の特別テストを実施。

 

ワークスノミネートを外れたグロンホルムは、SS2でウォーターポンプが破損。ストップしたエンジンを再始動させ、オーバーヒートしながらもSSを走り切るが12分のロスを喫してしまう。その後、サービスに辿り着くものの修理ができず(エンジンを下さないとウォーターポンプが交換できないため)、失意のリタイアとなった。今季ターマック4戦をワークスとしてエントリー(グラベル5戦はグリフォーネからエントリー)のパニッツィにとってモンテカルロは未知のルートではなかったが、SS3の4km地点でラリーを終えることとなった。リピーター搭載の飛行機が給油を要し着陸したため無線が届かず、グラベルクルーの情報が無いまま選んだノンカットのレイン用レーシングタイヤでは、突然現れたアイスパッチに成す術なく40mほど転落したのである。同じタイヤを選んだオリオールも、同じSS3のゴール近くで土手にクラッシュ。リヤタイヤを飛ばし、サスペンションに手酷いダメージを負ったままで3輪走行を強いて次のSS4に向かうもオフィシャルからスタートを拒否されると、序盤から首位を奪った幸先の良いラリーの終了を決めた。

 

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【スウェーデン】2月8日~2月11日
1:グロンホルム 206 NLK 75 SS3 リタイア
2:オリオール 206 NDN 75 SS15 リタイア
16:ロバンペラ 206 NDP 75 1位・3時間27分1秒1

 

マニュファクチュアラーズポイント対象ドライバーとしてグロンホルムとオリオールをノミネート。フィンランド人の伏兵・ロバンペラに3台目のワークスカーを託すも、テストは直前の2日間のみ実施。マシンは前戦モンテカルロと同じ仕様。(前戦で起きたウォーターポンプのトラブルへの対策は行われず。)

 

グロンホルムはSS2で水温が130度まで上がり(車内に水蒸気が立ち込めた)、SS1とは対照的な9番時計。続くSS3を喘ぎながらゴールしたが、エンジンが完全にオーバーヒート(ガスケットが吹き抜けた状態)となり、ラリーの流れすら見えないうちのリタイアとなった。オリオールは時にトップ5の一角を占める走りを見せるも、そのパフォーマンスは霞みがちであった。SS7でコースアウト、SS11でパンク(ATSに救われる)などが起こったLeg2を総合6位で終え、その後もポジションをキープするが、最終的にはLeg3・SS15でギヤボックスを壊してのリタイアとなった。ブレーキが不調ながら好タイムでSS1を終えたロバンペラは、SS2で最速タイムを出しラリーリーダーを獲得。慣れない206WRCを巧みに乗りこなし、Leg1を2位(スタート順が味方した首位サインツとは13.2秒差)、Leg2を首位(コースオープナーで後退したサインツに代わって浮上したマキネンに12.4秒差)で駆け抜けた。雪が降り始めたLeg3。ロバンペラの履く非対象GEに長めのスタッドという組み合わせのタイヤが先頭の雪掻き役の不利さを上回り、SS13~14において追撃するマキネンとの差を広げる要因となった。更にSS15~16での短いスタッド、SS17での長いスタッドのチョイスが再び三菱勢のタイヤ選択を上回り、ロバンペラにWRC初優勝をもたらす結果へとつながった。 
 
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【ポルトガル】3月8日~3月11日
1:グロンホルム 206 NLM 75 3位・+2分55秒6
2:オリオール 206 NDM 75 8位・+16分8秒6
16:ロバンペラ 206 NHV 75 SS7 SS13 リタイア

 

グロンホルムとオリオールをワークスノミネート、3台目のワークスカーにはロバンペラを乗せる。ワークスカー3台ともトリプルアクティブデフを使用。スウェーデンのラリー後に上記3名がアルガニルとファフェレジオンの2ケ所でテストを実施。
 
完全なマッドとなったバルターのスーパースペシャルを2番手と好発進したグロンホルムであったが、9番というスタート順と降り続く豪雨が演出した泥沼と轍の悪路に首位グループ追撃を阻止された。更にフロントデフの油圧が落ちたためのハンドリング不調(SS12)や、プジョーのみが登録していたナロートレッドのマッドタイヤWB(14/65×16)がそのアドバンテージを発揮しなかったことから、前走車がかき混ぜた泥の道で追ってくるバーンズを振り切ることに専念せざるをえなかった。オリオールはSS3で路面に隠れていた岩を強打し、ステアリング系とウォーターパイプを破損。そのダメージを自ら修理してSS4に向かうも、TC到着が遅れ130秒のペナルティ。この状況にあってはアタックが叶う状況とならず、ひたすらゴールを目指すだけになってしまった。ラリーリーダーのマキネンを荒削りながらも気迫のドライビングで追撃するロバンペラであったが、逆転を賭けたSS9で、ラジエターの破損からオーバーヒートとなり20秒のロス。更にサービスでのラジエター交換に手間取り10秒のペナルティと、Leg1を3番手で終えることとなった。Leg2でも前日にオーバーヒートした影響から、エンジンが3気筒になる現象がSS12で発生し30秒のロス。続くSS13・19.62kmをぐずるエンジンで走り切りサービス手前のリグループにたどり着いたが、ここでエンジンが再始動できなくなり無念のリタイアとなった。

 
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5月1日のホモロゲーション取得に向けてギリシャで2001年型206WRCのテストが開始された。3代目となるニューバージョンのテストは、チームのレギュラードライバーがカタロニアの準備で多忙なため、この年からテストドライバーを務めることになったイタリアのベテラン、アンドレア・アギーニが担当した。

 

 

【カタロニア】3月23日~3月25日
1:グロンホルム 206 NDN 75 SS5 リタイア
2:オリオール 206 NLK 75 1位・3時間40分54秒7
16:パニッツィ 206 NDP 75 2位・+23秒2

 

オリオールとパニッツィをワークスノミネート、3台目のワークスカーにはグロンホルムを乗せる。駆動系は信頼性を重視する判断からフロント&リヤ共に機械式としている。(ギヤボックス交換作業は今回から全サービスパークで実施可能となった) ブレーキディスクは前後とも376mmの同サイズで、8ポット/4パッドの仕様。事前テストは2月末、2回に分けて上記3人が計7日間行った。

 

信じがたいスピードで疾走するシトロエンの影で、中団グループの順位争いは熾烈を極めた。全開に次ぐ全開でターマックを攻め立て、コーナー出口を4輪ドリフトのまま立ち上がってくるオリオール。SS9ではブレーキのオーバーヒートを訴えながらも2番時計の好タイムで駆け抜け、Leg2終了時総合2位。一方、執拗にプッシュするマキネンを退けながら、上位へと望みを託すパニッツィ。センターデフのセッティングが好みに合わずタイムを詰められなかったとはいえ、Leg2終了時総合3位。結果として、SS11後のロードセクションにおけるピュラスの燃料系トラブル(不可解なエンジンストップ)やSS14におけるブガルスキーのクラッチトラブル(SS15のスタート地点に移動できず2分のペナルティ)が起こったことでプジョーに1-2勝利が転がり込んたが、最後までシトロエンのスピードには追い付けなかった。シリンダーヘッドガスケットに手が入った206WRCを駆り、ターマックスペシャリスト達に伍したグロンホルムはSS5における2速ギヤで回る低速コーナーで、泥に乗って大きく膨らみ電柱にリヤをヒット。ホイールを飛ばしてラリーを終えた。

 

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【アルゼンチン】5月3日~5月6日
1:グロンホルム 206 NLM 75 SS18 リタイア
2:オリオール 206 NDM 75 SS20 リタイア
16:ロバンペラ 206 NHV 75 SS7 リタイア

 

グロンホルムとオリオールをワークスノミネート、3台目のワークスカーにはロバンペラを乗せる。3台ともポルトガルと同じ仕様であるが、エンジンのヘッドガスケットを一新させた。ウォータースプラッシュ通過時用の対策をボディに施している。ロバンペラが5速ギヤボックスを本番試用。

 

下位に低迷し、SS2でリヤをヒットしたロバンペラは、SS7でもコントロールを失いコースオフ。リヤサスペンションのダメージから、あっけないリタイアとなった。グロンホルムはSS3・7km地点においてウエストゲートのトラブルが発生、ターボ圧が上がらず苦戦する。それでもSS9で土手をヒットしバンパーを引きずりながらの3番時計。その後も5番時計、4番時計、2番時計とLeg2で挽回を図るが、SS13でサスペンションにダメージを負い8番時計に沈む。更にSS14ではオイル漏れに端を発する油圧系統トラブル(パワーステアリングやデフに異常)を抱え失速。そして迎えたSS18、コースオフから道に戻るためにクラッチを酷使してしまい、リタイアへと至った。左後輪(SS3)、左前輪(SS4)のパンクに加え、ギヤシフト不調(SS6)、ウォータースプラッシュでのターボトラブル(SS10)、スロットル不調(SS15)に見舞われたオリオールは、SS20ジュリオ・セザーレのヒルクライムでコースオフ。サスペンションを破損しながらもSSを走り切るが8分をロスし、ラリーを諦めた。

 

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