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熾烈な争いを極める1973年のWRCにおいて、フルビアHFの戦闘力だとライバルに大きなアドバンテージを持てないのがランチア・チームの状況であった。1971年のトリノ・ショーで次期ラリーカーとして紹介されたストラトスの開発は、そしてラリーフィールドへの投入は危急を要していた。しかし、エンジニアのジャン-パオロ・ダラーラが戦闘的スタイルを創造し、マイク・パークスが無敵のサラブレットに育て上げて行くことになったストラトスは、量産計画の遅れが影響して1974年10月にグループ4の公認をやっと受けたのであった。(公認は受けたものの、実情は500台の生産が間に合わず、モノコックだけの完成車も多かった。また、イタリアを襲った台風で倉庫の屋根が落ち、相当の台数のストラトスが廃車となったのみならず、ラリーにおいても深刻なパーツ不足を引き起こした。それでも残ったパーツで何とか間に合わせた結果、実戦投入された車両はエンジン周りを中心に、一台一台仕様が異なることになった。)
こうしてホモロゲートされた数日後、ストラトスはすぐにサンレモ・ラリーに出場している。そして、ムナーリの手でWRCデビュー・ウイン。さらに、カナダのリデューレイクス(優勝)、RAC(3位)、ツール・ド・コルス(優勝)とたった2ヶ月の活躍にもかかわらず、フィアット124からタイトルを奪ってしまったのである。

 

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ストラトスは、基本的にフィアットからの恩恵が受けられない立場にあった。(フィアット・グループは、限られたラリー資金が2チームに分散し、タイトルを逃すことを危惧。さらに、勝っても売れないスーパーカーを走らせても、意味を成さないと判断。)しかしストラトスは、チェザーレ・フィオーリオが理想に描いた車そのままに高い運動性とコンパクトネスを兼ね備えたマシンとして仕上がっていた。

1975年のモンテカルロ・ラリーは、そのフィアットとランチアの同門対決となったが、フィアットがこの後、ストラトス支援に出たほど、ストラトスは次元の違う独走勝利を飾った。さらにこのパーパスビルト・マシンは、この後も快進撃を続け、2年連続のメイクス・タイトルを、2位のフィアットに35点もの差をつけて獲得したのである。(モンテカルロ、スウェーデン、サンレモ、ツール・ド・コルスの4勝を挙げ、96ポイントを獲得。)

 

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そして迎えた1976年。さらに大胆なアリタリア・カラーに彩られたストラトスは、下記のスペックで選手権3連覇に挑むのであった。
全長:3710mm/全幅:1810mm/全高:1100mm/ホイールベース:2180mm/トレッド:フロント1400/リア1540mm/車両重量:920kg/シャシー・ボディ:スチールモノコック・FRP製ボディ・2座クーペ・ミッドシップ/エンジン型式:横置水冷65°V型6気筒DOHC24バルブ/総排気量:2418cc/ボアストローク:92.5×60mm/圧縮比:10.5/1/最高出力:270ps/8500rpm/最大トルク:26kgm/6500rpm/燃料システム:ウェーバーダブルボディ×3/キャブレター:ウェーバー50IDA×3/燃料タンク:ピレリ製50リッター×2/駆動方式:リヤ2WD/ギヤボックス:フェラーリ製5速+ZF製LSD/ギヤレシオ:①3.554、②2.459、③1.781、④1.320、⑤0.986/減速比:3.825/フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン+車高調整式ビルシュタインガスダンパー+アジャスト式スタビライザー/リヤサスペンション:逆Aアーム&ラジアスロッド+ストラット式ビルシュタインガスダンパー+アジャスト式スタビライザー/サスペンションスプリング:前後とも可変レート式コイルスプリング/アップライト:マグネシウム製/キャリパー:APロッキード製4ピストン/ステアリング:ラック&ピニオン/ブレーキ:ロッキード製4輪254Фベンチレーテッドディスク/ホイール:カンパニョーロ製マグネシウムタイプ8×15”/12×15”/タイヤ:ピレリP7、CN35(185~235/35VR15)

ストラトスは、2180mmという短いホイールベースの割にはトレッドが広く、フロント1400mm、リヤ1540mmという数値がもたらす高い回頭性とピーキー気味の操縦感は、経験未熟なドライバーにとってトリッキーなものとなったが、熟練した一流のドライバーには、素晴らしい運動性とコーナーリング性能を感じさせた。そして、パワフルなフェラーリ・ディーノ246GT/GTSエンジンは、エンジンヘッドのほかカムシャフトやクランクシャフトなどがラリー用の専用パーツに変更され、量産型より低速域に振られたチューニングが施されていた。また、特徴的なグラバーベル社製のフロントウインドウは、極端に細いフロントピラーと相まって、前方視認性に大きく貢献しているも、車体剛性を保つ太いリアピラーと大きなルーヴァーが、後方視認性を犠牲にしていた。ボディの基本構造は、フロントとコックピット部が堅固なモノコック、リヤが頑丈な角型断面のフレームでエンジンをマウントしており、ラリーカーとしての剛性を最初から確保している他、大きく開く構造のフロントとリヤのカウルで整備性を備えている。

 

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