10年後レオナの任務時のお話〜













モブさん出てきます⚠️













通り名











__時は既に夜更け。

ふと空を見上げ、武器である槍を手馴れたようにくるりと回し肩に預ければ。風に煽られる絹の如き金髪をそっと耳に掛け、白い吐息を宙へと返す。

彼女レオナは任務の最中であった。

彼女の背後には大の大人数人が、木々にその背を預けて気絶している。

それは彼女の持つ優しさ故 。そして、ぽつんと浮かぶ月灯りを目に留めれば、あの浅葱色の髪の彼女は、自分が任務に行ってから食事を取っただろうか、と月の守護者である彼女の横顔を思い出した。

当の本人聖奈はあまり食事を取りたがらない、面倒だという理由なのだが。ファミリーの年長者であるレオナからしてみれば、それは心配の他ならない。



「聖奈さんってば... 」



なんて、ポツリと呟こうとした途端。彼女の背後から刺客が現れた。いつから身を潜めていたのだろうか。気配を完全に断ち、勝利を確信した笑みを貼り付ければ、携えたレイピアを彼女目掛け一閃__



「_ 帰ったら、暖かいスープでも作りましょう。」



__する筈だったそれは、得体の知れぬ衝撃波により、脳裏に響く金属音と共に弾き返された。脳が状況を処理しようとした途端、視線を落とした掌から尋常ではない量の血飛沫が舞った。口から溢れる血に噎せ、その場に膝を着く刺客にそっと視線を流し送れば。

先程の動作は彼女の雨の炎の鎮静効果によるもの。常に回りに炎を巡らしている彼女は、誰であろうと、対象の数倍にも勝るスピードを誇っているのだ。

膝を付き、瞳に活力の無くなった刺客に対し

「女だからと油断していては、痛い目を見ますよ?」と小さく呟けば、妖艶にそっとその金色の目を細め。

月明かりを背にその姿を見る眩ませた。





❁







あれから300mほど離れた場所まで木々を伝って移動をすれば、"それ"が聞こえたと同時に枝に着地をした。小型通信機から聞こえてくるファミリーの声に耳を傾ければ。どうやら雲の守護者である森 真葉の担当陣地から、標的ファミリーの複数人が逃げ出してしまった様で。



「ひええええごめんなさいぃぃぃいうわあああん!!!!!」





「大丈夫だって真葉〜。それぐらいで皆は怒らないからさ。ね?」





「そうですよ真葉さん!」





「あうう.....ありがとうございますファルさんレオナさん...」





「...でもさ、誰の担当陣地に向かって行ったの?そこだけ知りたい。」





「そ、それが……」



「?それが?」



声が少し震えている。どうしたんだろう、と思わず聞き返す。だが、



「覚悟ォ!!!!!」



「!?」



突然の怒声と共に降り掛かってくる斬撃にそれは遮られ。咄嗟に槍を回転させ、その斬撃を薙ぎ払おうとするも。数が多い、__間に合わない。小型通信機から聞こえる自分の名を呼ぶファミリーの声に、大丈夫ですと伝えようとした、だが。



「ッしま__」



あまりの斬撃に夢中になるあまり、バランスを崩せば。スローモーションで敵の喜ぶ表情と、遠ざかっていく月が見えた。背中からモロに地面へと落下すれば、慣れない痛みにカハッ、と小さく血を吐き。

息を荒げ、骨の軋む音に奥歯を噛み締めれば。その耳に聞こえてきたのは「敵を1人討ち取った」という声。



討ち取った?...いや、



まだ勝負はついていない。





馬鹿騒ぎをする標的をキッと睨み付け、麻痺した感覚に逆らうように上体を起こせば。



「_まだ、死んでませんよ。」

と、確かに聞こえるように呟き。それと同時に優美に微笑みを送ると。



__ 黄緑色の炎が、その背に灯った。



それと同時に、まるで本物の羽の様に空中へと飛翔すれば。蝉の声の様にどよめく敵をその瞳に映す。



「ま、まだやるつもりか!?!」



その中の隊長らしき人物が前に出てきた。

しかしそれに目を留めることは一切無く。



5人、と小さく、血で染まった紅色の唇で呟けば。



「お、おい...!!此方は聞いているん__」



目の前の相手の背後に、背を向けた状態の彼女が其処には居た。「何っ!!」と振り返ろうとした途端。

相手の肩口からまるで花が散るが如く、血飛沫が舞い散った。





4



「な、た、隊長!!!!!」



とんっ、とまるで空中を蹴った様に軽やかに宙返りをすれば。その下に居た隊員の首はゴキッ、と嫌な音と共に折られ。



3



「く、クソアマぁ!!!!!」

「うわあああ!!!!」



槍を構えてきた1人の攻撃を首を逸らしていとも簡単に避ければ、まるで使い方を教えるかの様にその相手の首元に槍の刃を突き刺して。もう1人の攻撃を瞬間的に感じ取れば、刺した槍を引き抜き、そのまま相手の胸元を一閃薙ぎ払い。



1





「う、うおおおおお!!!!!」





最後の1人に標準を定めた彼女は、狂乱的に口角を上げると。そのまま宙を蹴り __



月明かりを背に迫り来る その優美な妖精に



敵は思い出した。





その甘い容姿からは想像出来ない戦闘力



まるで空を支配したかの様な



彼女の本領でもある空中戦から生まれた





__彼女の通り名を









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" Fallo Anjeria "〈 欺く天使 〉