眠れない子羊たちへ10

―こころ―



探し物を見つけるまで


泣かないと決めたのに


一度きりの駆け引きさえ


悪戯にリセットしてしまう


何が正しくて何が悪いのか


言葉の置き場所をずっと探している



哀しみの雨なら何時かは止むのに


渇いた昨日の傘をさしたままで


雑踏に埋もれた交差点にひとり


ただなんとなく立ち荒む




ほら こころには色んな顔がある


笑顔なら幸せって言えるのかな?


万華鏡みたいに見方を変えたら


泣き顔になっているのかも


螺旋の階段を昇るように遠回りしても


こころ の底から幸せって言える


その日を信じて…