今日はポカポカ陽気でふとん干しには絶好ですね。

本日はゴールデンウイークで他県に嫁いでいる妹家族が間もなく来ます。

甥は東京のとある大学院生、バイトの時間がないため、私がお小遣いを奮発します。

このところ、休みらしい休みをとっていないので、今日は書類整理のみの仕事に止めます。

 

さて、本題。

今日はトランプの父の世界と「決別宣言」について、触れる。

父の建てたアパートには、窓からゴミを捨てる借家人がいた。そうした低級な店子への対応にトランプはうんざりした。

 

トランプは、父の流儀を疑問に思ったのは利ザヤがあまりにも小さいことも理由だったと言っている。

 

父の作った集合住宅の建物はほぼ同じで、「どれもがありふれたレンガ造りの正面を持ち、四方を壁に囲まれた直方体の家だった。レンガは赤レンガを使ったが、必ずしもそれを気にいっていたからではなく、黄褐色のレンガよりも1個当たり1セント安かったからだ」(『トランプ自伝』)

 

ここまでコスト意識を持たないと利益は出なかった。

 

この『自伝』には、トランプが後にマンハッタンに建てる、いわば旗艦ビルの「トランプ・タワー」建設工事を視察した時の父フレッドの反応が書かれている。

 

正面一面をガラスの壁としたトランプ・タワーを見て父は、4、5階までガラスを使ってあとは普通のレンガを使えばいいではないか、どうせ上を見上げる人なんかいない、と意見を言った。

 

トランプは父に軽蔑を覚えた。

 

「これはまさに父フレッド・トランプ的発想だった。父は(中略)数ドルを節約しようと考えているのだ。(中略)なぜ自分は父の元を離れたかという理由も、はっきり認識した」(『トランプ自伝』

 

こうして、大恐慌を生き延びた父フレッドのこつこつした地道な経営手法に、トランプは決別を宣言した。

 

だが、若きトランプが父の助力なしで、生き馬の目を抜くニューヨークの不動産ビジネスを切り盛りすることなど到底ありえなかった。自伝でどんなに父親の「みみっちい稼ぎ方」をこきおろしたところで、トランプは父の大きな背中を支えられていた。父から離れることはできなかったわけである。

 

個人的な意見だが、父親のフレッドはいわゆる「たたき上げ」タイプで、それなりに苦労した実業家。それに比べて、トランプはいわゆるお坊ちゃん。食う金に困ったケースもなさそうだし、言ってみれば、親孝行の息子ではない(つづく)。