前妻がトランプと結婚する前のこと。
父親は彼女がスキーの才に恵まれていることを見抜き、
社会主義のスパルタ教育に送り込んだ。
娘は厳しい練習に耐え、優れたスキー選手となった。
ここまではいいが、娘は1972年の札幌冬季五輪に補欠に参加したとか、
第7位になったとか、実にあいまいな発言を彼女はし続けている。
それはさておき、大富豪の名を欲しいままにしている青年実業家トランプの花嫁ともなれば、
メディアは当然、この問題は必ず突く。しかし、調査の結果、第7位の成績は残っていなかった。
前妻はモントリオール五輪(1976年)のPRのため、さまざまなイベントに参加していた。
トランプの出会いはニューヨークでの活動中だった。
若者向きのバー。席は埋まっていた。すると、誰かに肩を叩かれた。
「席ならあるよ。一緒にどう?」。それがトランプだった。
食事が済むと、トランプはこっそり皆の支払いを済ませ、店から消えた。
前妻は驚いた。
「変なこともあるのね。女に何も求めず、支払いだけするような男には今までお目にかかったことはないわ」
前妻が店から出ると、外にリムジンが止まっていて、運転席にトランプが座っていた。これがきっかけになり、二人はデートを重ねることになっていった(つづく)。