大学生の思い出が乏しいのは、彼が在学中に父のビジネスの手伝いを始めており、キャンパスライフよりも不動産業に夢中になっていたのかも知れない。
大学生活を送っていた1960年代後半はベトナム反戦運動が盛んであった。トランプは学生運動に興味を示さないいわゆる「ノンポリ」だった。トランプは自己愛のかたまりのような男のはずだが、当時の自分のことを話さない寡黙な青年だった。にわかには信じられないが。
というのは、大学に吹き荒れる反戦運動に背を向け、どうしたらもっと金を稼げるか、そればかり考えていたという。
「大学では、友人たちが新聞の漫画やスポーツ記事を読みあさっている間、わたしは連邦住宅局の差し押さえ物件のリストに目を通していた」(トランプ自伝より)
要はトランプはクラスメートたちとは違い、生きている世界が違うと言いたいのだろう。
また、同じ自伝でトランプは「クラスメートたちは、並外れて優秀な者たちではないと気付くまで、たいして時間はかからなかった。すぐに、連中に対しては上手を取れると知った」と述べている。
不動産王の基礎はこのあたりで身につけたのだろう(つづく)。