今、民族や宗教、経済、世代・・・・・・
あやゆるところに亀裂が走っています。
国境を超越した空間を意味するはずのグローバル世界は、
今、皮肉なことにたくさんの分断線がおおわれています。
それを修復するために、和解を進め、不公平をなくし、安心できる社会を築くことが求められているのは、ないのでしょうか。
海外に目を向けてみましょう。
読者のみなさまもご承知の通り、ISは、狂信的な教義を掲げて人々の分断を謀る過激派組織です。
支配地域で従わない人々を隷属化し殺害するのは、もちろん、
他の宗教や文化を憎悪の対象にして、イスラム教徒との間に深い溝を作ろうとしています。
欧州では、中東の難民やイスラム系移民層への警戒感が急激に、強まりました。フランスなどで、排他的な右翼政党の支持率が高くなっています。
アメリカでは、共和党の大統領候補選びで「イスラム教徒を入国禁止に」(個人的には、これはヘイトスピーチだと思います)
翻って、日本。
経済的な不平等についても例外国ではありません。
それどころか、所得格差はOECD平均を超えて広がっているのが現実です。
子供の貧困率や雇用の非正規率も上昇しています。
かつての平等な国の姿はすっかりなくなりました。
にもかかわらず、社会保障と税の一体改革もままならず、この国の社会的連帯に弱まるばかりです。
私的な意見ですが、この流れは、小泉内閣に始まったと思います。
沖縄の米軍基地問題も日本に分断を生んでいるのが実態です。沖縄県民の多くが基地を本土に求めるのは、当たり前のことだと思います。
しかし、本土の反応は冷たいと言えるでしょう。政治は問題を安全を保障をめぐる党派的な対立の構図に還元してしまいます。そこに「同胞」への共感と連帯をもたらすナショナリズムは、見る陰もありません。
では、克服には何が必要でしょうか。
例えば、COP21の合意。自国の負担を避けようとするだけでは、
問題の本当の解決にはつながりません。各国の間で実際的な考えが共有された成果が上がる時に、初めて、各国が「同胞」になると言えるのではないでしょうか。