読者のみなさま、新年明けまして、おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
古巣の毎日新聞の記事を一部引用いたします。
今後、18歳、19歳の若者が、今夏の参議院選挙で、
初めて投票権を持ちます。
そこで、改めて民主主義とは何かを考えてみましょう。
昨年は、日本の民主主義の成熟度が試された年でした。
象徴的だったのが、安全保障関連法をめぐる論議です。
国民の多くが「議論は付くされていない」と感じていましたが、
強行採決したのです。
これは由々しき問題ではないでしょうか。
社会の分断をどう防ぐかは、グローバルな課題でもあります。
ヨーロッパでは、難民の受け入れで、多文化主義が揺さぶられています。
パリの同時多発テロが宗教間の憎悪をあおり、異なる価値観を否定する空気が、各国で強まっているのです。
日本に目を向けましょう。
安全保障、原発、沖縄の基地問題、家族や共同体の形など、私たちが直面しているのは行方を左右する、困難な問題ばかりです。経済成長が矛盾を隠した過去の時代に解決策はありません。
日本は今、二つの大きな潮流の岐路に立っています。
一つ目は、政治でも、経済でも、国が目標を掲げて、国民を引っ張る、
国家主導型の社会です。
そうしたリーダーシップには、決断の正しさへの信念はあっても、国民への説明責任の意識は希薄になりやすい。国民が理解しなくても、歴史が評価してくれる、という独善に偏りが懸念されます。
もう一つは、一人一人が自分で情報を集め、考え、発言し、決定に参加する社会を目指す流れです。それは、自律した個人の多様な声が反映されることです。
民主主義は、それ自体が目的ではなく、誰もが住みよい社会を作りあげる手段に過ぎません。しかも、時間と手間隙がかかる主義です。
20世紀前半に多くの作品を残したイギリスの批評家・小説家のフォースターに、次の言葉があります。
「民主主義には『万歳三唱』しよう。一つは、それが、多様性というもの認めているから。二つ目には、それが批判を許しているからだ。この二つさえあればいい」
「民主主義とは何か」の答えは、これで十分ではないでしょうか。