先月下旬になって福田康夫元首相が北京を訪問して習主席と会談したり、麻生太郎副総理兼財務相が政治局常務委員の張高麗・筆頭副首相と面会したりするなど、関係改善を模索する動きが活発化している。
日中の喫緊の課題は、緊張が続く沖縄県・尖閣諸島周辺の海と空の安全を確保することだ。
海の安全については今年4月、日米両国や中国など21カ国の防衛当局が参加して中国・青島で開かれた「西太平洋海軍シンポジウム」で、偶発的衝突を避けるための行動基準が採択された。
だがこの基準は空軍を対象にしていない。このため日本政府は、空も含めた包括的な日中2国間の「海上連絡メカニズム」を早期に運用開始するよう呼びかけてきた。
海上連絡メカニズムは、防衛当局間の定期会合、ホットラインの設置、艦艇・航空機間の直接通信の3本柱からなる。2012年に日中で基本合意したが、尖閣の国有化後、たなざらしになっていた。
最近、中国側も前向きに転じ、近く防衛当局間の協議が再開される見通しだ。安倍首相と習主席は、メカニズムの運用開始を首脳間で確認してほしい。