2013年7月の参院選で自民党が圧勝した後、安倍晋三総理は内閣法制局長官に小松一郎・前駐仏大使を起用した。集団的自衛権の閣議決定の地ならしをするためだった。


では、内閣法制局とはどんなものなのか。分かりやすく言うと、これは内閣に置かれている国の役所だ。局という名称であるが、トップは局長ではなく、長官。内閣が任命する。


しかし、長官は大臣ではなく、公務員。組閣された時に名簿に必ず名前が掲載され、毎週二回の閣議には必ず出席する。特別な存在である。


仕事の内容は、内閣に対する法律面でのアドバイザーだ。内閣が法律案や政令を作成したり、外国との間で条約を結んだりする際に、現在存在する法律と矛盾することがないか、憲法に違反することがないか、などを検討する。内閣法制局がOKを出して初めて、法律案は国会に提出することができる。


よくニュースになるのは、意見事務。憲法や法律に関して、首相や大臣に述べるという重要な役割があり、こちらを担当するのは第一部という組織。集団的自衛権に関する政府見解をまとめたのは、この部である。


内閣法制局は、いわゆるキャリア官僚は独自採用していない。各省庁から参事官以上を出向で受け入れている。この中で、局長級以上の幹部になるのは原則、法務省、財務省、総務省、経済産業省の四省の出身者だけというのが不文律だった。


この点でも小松氏は外務省出身だから、異例と言える。そこまでしても、安倍総理は集団的自衛権への閣議決定にこぎつけたかったという意図がみてとれる。目的のためには手段は選ばす、と言ってもよいだろう。











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