安倍政権誕生後の政策アベノミクスで、日経平均株価が上昇し、世の中には、なんとなく浮かれた気分が充満しつつある。例えば、株をしている人が日経平均株価が上がったことを受け、デパートで高額商品を買うといった類である。
でも、アベノミクスでは、副作用も出ている。その代表的なのが、急激な円安だ。とりわけ、原油価格の高騰は影響大だ。全国のイカ釣り漁船は、2013年4月26日と27日の両日、いっせい休業した。
参加した漁船は4000隻。燃料代が上がってやっていけないというアピールで、政府に対策を要求した。昨年暮れからは1ドル当たり20円も円安が進んでいるから、漁船1隻あたり、年間で70万円以上のコスト増になった。
それでも、物価上昇に見合っただけ給料が増えればいいのだが、すぎに収入が増えるのは、輸出関連の大企業に限られる。そしてパートやアルバイトなどの非正規雇用の人たちにとっては、
収入が増えないまま支出だけが増えるという結果になる。
収入が増えないという点でいえば、年金生活者も同じこと。年金支給額はすぐには変動しないから、「物価上昇で生活が苦しくなった」という高齢者が続出すれば、次の選挙に「高齢者の反乱」が起きるかも知れない。