広い意味で私の同業者が、FIFAワールドカップを前にしてこう言った。
「もう何回もブラジルに行っているが、列車で移動中に居眠りしてしていて、起きてみると、上着の内ポケットに入れていた財布がすられていた」
「安いホテルに泊まると最悪。日中、部屋の掃除のため外出すると、自室に戻ると貴重品がなくなっている」
ブラジルの治安は確かに悪い。日本を基準にすると、とんでもないことが待っている。案の定、そんなことが杞憂で終わらなかった。
外務省は日本のW杯の観戦客の犯罪被害が相次いでいることから、18日午前時点で、日本の初戦が行われた北東部ジジフェで少なくとも3件、最大都市サンパウロで5件、第2戦の北東部ナタルで1件、リオジェネイロで1件を把握。
注意を呼び掛けている。
外務省によると、W杯観戦にブラジルを訪れた日本人は5000人以上。物価が比較的高く国土が広いブラジルではバスで移動し安宿を渡り歩く若者も多い。
観戦チケットを入手できずに無料のパブリックビューイングで観戦中に、財布をすられた例のほか、リュックサックを開けられスマートフォンを盗まれたりしたケースも。
サンパウロでは、観戦チケットや多額の現金を盗まれる被害が続いている。パスポートを失わなければ警察や在外公館に届け出ない人が大半で、外務省でも被害を把握しきれていない。
私はブラジルに行ったことはないのだが、かなり前、多額の印税が入ったのでタイのバンコクに渡ったことがある。現地の通貨感覚が分からなかったので、空港から滞在先のホテルまで乗ったタクシー運転手に、正規の10倍の料金を
ふんだくられた。
それと街中でセール中とのことで、さまざまなブランド品を買ったら、帰国後、全て偽物だったこともあった。
日本やシンガポールは世界でも指折りの治安立国とされており、その基準を他国に求めるのは、土台、無理な話だ。東日本大震災のような災害が起きれば、他国なら略奪などが横行したであろう。
このような日本や日本人の美徳、うつくさしさを広めることこそ、日本の底力のアップにつながると思う。経済一辺倒できた我が国だが、日本の精神美を広く知ってもらえば、日本の理解者が増えるのは間違いない。