日本近隣の緊張の高まりを受け、安倍政権は「集団的自衛権」を「憲法解釈の変更」の形で実現を目指している。
これを受け、今日のNHKニュースでは、世論調査の結果を伝えた。集団的自衛権に賛成、反対がともに26%だった。また、集団的自衛権が憲法解釈の変更で進められてようとしていることに対しては、反対が賛成を上回った。
要するに、この問題は国論が二分されているのだ。憲法改正により、集団的自衛権が確立されることは、手続き上の問題からすぐにはできず、それにより、安倍総理はごり押しをしかけている。(だれでも分かる当たり前の話に過ぎないが)。
確かに、北朝鮮のかつての核開発疑惑や度重なるミサイル発射実験、並びに中国の海・空軍の我が国への急展開は、一触即発の危機をはらんでいる。言ってみれば、武力による威嚇であるが、だからと言って、目には目をでは本質的な問題解決にはつながらないと思うのだが、いかがなものか。
ただ、ここだけの話であるが、中国空軍戦闘機が航空自衛隊のF15機に攻撃をしかけても、大人と子供ほどの戦闘能力(パイロットの質も日本が格段に上)の差があり、中国軍機が二機でも空自一機に太刀打ちできないらしい。
日本は中国に外交ルートを通じて猛抗議をしている。対する中国はテレビでおなじみの女性外務省報道官が、逆ギレともとれるコメントを毎回毎回繰り返している。
話を集団的自衛権へ戻す。安倍総理は何がなんでも、今国会の会期中に、与党内協議、つまり、自民・公明の折衝で合意形成し、集団的自衛権を閣議決定までもっていくという腹だ。
が、福祉と平和を標榜する公明党が自民案を丸飲みするわけがないし、慎重というよりは、協議をできるだけ延ばすことに徹するのだろう。ただし、自公の枠組みは維持されるのは間違いないので、どの辺が落とし所になるか、これが目下の焦眉の急だ。
有事の具体例の一つとして、水面下で上げられているのは、尖閣諸島(沖縄県)。日本もバカではないから、離島という表現で、あえて中国を刺激することを避けている。が、確かに、中国の武装集団が同島に上陸した場合、海上保安庁や警察庁のみで対応できるかというと、これは微妙だ。安保法制懇はこれを「グレーソーン」の一つとして報告書にまとめている。
安全保障の観点から、周辺事態法と個別的自衛権の拡充で、どこまでやれるかということを再度、煮詰めることも、もっと協議して良いだろう。知っている人は知っているが、海自のイージス艦で100%近く、北朝鮮のミサイルは迎撃できる。また、陸自の地対空迎撃ミサイルもある。
集団的自衛権をめぐる新聞各紙の論調もまちまちだし、私自身、この問題には模範解答がないと思っている。しかし、国論が二分されているのはまぎれもない事実なのだから、性急すぎない審議を尽くして欲しい。