今回の出版で、デスクワークをしていただいた先輩のジャーナリストから、この前、ボツりと言われた。
「当たり前かも知れないが、あなたは独特の文体がありますね」
この点について、私はあまり意識していなかったが、言われてみると、そうかも、と思った。
ただし、私の場合は、生まれついての名文家などでは微塵もなく、どちらかというと、特に、記者時代の日々の鍛錬によるところが大きいのだろう。
ほとんど一年のうち365日を取材、執筆してきたわけで、自分なりにたどりついたのが「省略美」ということだった。
分かりやすく言おう。
①簡潔(むだがないこと)
②簡明(分かりやすいこと)
③達意(自分の文の意が読み手に伝わること)
--にある。
この心境に至るのに、12年かかった。
だが、今の私は、別に小説家のような比喩などは使えないし、
あくまで、ノンフィクションを書いているので、そういう世界とは生きる世界が違うのだと思う。
先日、かつて、一緒に事件取材をした先輩が小説を出した。
これは寝耳に水だった。しかも、講談社からだ。
売れ行きはどうか分からないが、おめでとう言いたい。
出版はやはりおめでたいのだ。