東日本大震災で被災者や遺族を取材したジャーナリストにも、心身に不調が表れる「惨事ストレス」が起きていることが分かってきた。


同震災を取材した地元新聞社の社員を対象にした調査では、発生1年後でも、「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)の疑いのある記者が2割を超えている。研究グループは6月に報告書をまとめる予定だ。


研究会は、全国紙、地方紙の労働組合でつくる「日本新聞労働組合連合」(新聞労連、日比野敏陽委員長)と協力し、東日本大震災の発生から約1年後の12年2~3月、地元新聞社の記者やカメラマンらを対象に調査を行った。


「惨事ストレス」は、悲惨な災害・事故を経験した人に表れる。症状は、惨状に対する現実感を失う(解離)▽惨事の光景を突然、思い出す(再体験)▽つらい体験を思い出すことを避けようとする(回避)▽不安や興奮状態が続いてよく眠れなかったり、仕事に集中できなくなったりする--など。


惨事ストレスは被災当事者だけでなく、消防職員や警察官、自衛隊員らにも表れることは知られていた。だが、ジャーナリストも、同様の症状が表れることが、社会心理学者らでつくる「報道人ストレス研究会」(代表、松井豊・筑波大教授)によって、明らかになった。


調査対象は、デーリー東北(青森県)▽岩手日報(岩手県)▽河北新報(宮城県)▽福島民友(福島県)▽茨城新聞(茨城県)--の5紙計270人。うち120人から回答があった。


内訳は男83・3%、女16・7%。年齢別では20代30%、30代40・3%、40代28・3%など。職種別では記者68・3%、支局長5・8%など。


質問は21項目(複数回答)。記者自身が体験した状況は、「余震の危険がある場所で取材・報道活動を行った」が86・7%、東京電力福島第1原発事故に関連し、「放射線による被害が懸念される場所で取材・報道活動を行った」も35%。30%が「遺体を見た、あるいは遺体に触れた」21・7%が「津波による被害を受ける様子をじかに目撃した」とし、「普段より過度に体力を消耗した」との回答が75%だった。


研究会は、取材開始から1カ月間のストレス反応についても探った。「涙もろくなった」が41・7%で最も多く、「強い無力感や悔しさを覚えた」(38・3%)、「憂鬱になった、気が滅入るようになった」(32・5%)と続く。26・2%が睡眠障害に陥った。


取材や報道の内容については、40・8%が「現場にいた人から非難を受けた」とし、20・8%が「プライバシー保護のため報道を控えた」と答えた。一方、56・7%が「取材対象から感謝された」、41・7%が「自分の報道が誰かの役にたったことを実感した」と回答し、やりがいを感じている様子もうかがわれる。





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