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地方自治体の教育委員会制度改革が猛烈な勢いで進んでいます。教育委員長と教育長のポストを統合して常勤の「代表教育委員」(仮称)を設ける方向です。
自民党の文部科学部会小委員会が大筋で合意。安倍総理、下村博文文部科学相も概ね同意しました。
教育行政の最終決定権は教育委員会に残すものの、代表教育委員の任免権は首長が持つようになります。
この背景には、2011年に大津市で起きたいじめ自殺で、同市の対応が後手後手に回ったことから、教育委員長の職を非常勤から、常勤へ移行する狙いがあります。
後輩の教育取材班の記者によると、ざっと見て、10年分の改革を1年間でやってしまっているらしいです。よく、政治の世界では、「スピード感を持って対応していきたい」などと言われますが、この〝スピード(違反)〟は相当なものでしょう。
フローチャートで説明させていただくと、自民党の「教育再生実行本部」→安倍政権が教育政策のブレーン会議と位置づける「教育再生実行会議」→文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」へと教育施策が至ります。
安倍総理は第一次内閣の時に、教育基本法の一部改正を行いました。理念の部分を変えたわけです。私個人の見方ですが、全ては、急進的保守政治への布石だと思えてなりません。
スピードは認めますが、こういう改革を行うと、必ず出てくるのが、「副作用」です。教科書検定基準の改定に向けた審議会での議論はわずか2回だけです。
1月17日には、教科書検定基準を改定し、社会科の近現代史の部分に日本政府の正式見解を記載することにしました。また、学習指導要領解説書を改定し、竹島と尖閣諸島を「日本固有の領土」と教えるように求めています。
中国や韓国は、日本をどう見たら良いのか、という部分について、教科書に記述があります。韓国はまだしも、中国に至っては、「野蛮で暴力的国民性を持つ日本人」と書かれています。
だからと言って、日本はそうした事に敏感に反応すると、相手の思うつぼ。挑発にのったことになります。
話を元に戻しましょう。こうした「改革」に対して、自民党議員からも「拙速」との批判の声が上がっています。安倍総理は道徳を「特別な教科」に格上げし、将来的には、教科書検定の対象にするよう、検討を始めています。
日本という国は、教育にかなりの重点を置いてきました。明治の富国強兵も教育がベースにありました。戦後、奇跡の復興をとげ、内外に日本の国威を示したのが、1964年の東京五輪です。
日本という国は、先進国の中で、国、自治体とも教育予算がかなり低い国です。それを埋めるのに、授業料が途方もなく高い有名中学・高校が存在したり、塾や予備校が少子化にもかかわらず、繁盛しているわけです。
私の持論は上記の通りで、さらに言わせていただくと、制度をいじることは大切ですが、そうした議論の中に、本来、主人公である児童、生徒に対する見解が皆無に近い。これはどう考えても「異常」でしょう。
30年後の日本は少子高齢化で社会の仕組自体がドラスティックに変わっていることは間違いありません。だとしたら、これは、人への投資となるのですから、従来の発想を変えるぐらいの教育予算を積み上げていくしかないのでは、と思います。