私は原発ウオッチャーではないと、以前、この欄で書いた。

だが、数少ない被災地在住のジャーナリストとして、

あえて、原発ウオッチャーとなることを宣言したい。

だが、私も原発オンリーで生活はできないので、

そこは、大目に見て欲しい。


そこで、さっそくではあるが、原発関連記事を総合して論評する。

東日本大震災で大きな被害のあった、

岩手、宮城、福島の3県から全都道府県に避難している

県外避難者へのアンケートで、

回答者の8割が移住の意向を示し、

2割強が実際に移住していることが分かった。


震災から半年おきの調査のたびに移住志向は増えている。

東京電力福島第一原発事故で避難区域が設定された

福島県からの避難者は、2割が「差別された」と感じたことがあり、

6割が被ばくによる健康不安を抱えている。


また、9割近くが東電の賠償に不満を持っている。

アンケートからは原発事故が復興に影を落としている。


現在の県外避難者は岩手1699人▽宮城8531人。

福島に至っては、5万7135人に上る。


福島県からの避難者に限っては、聞き取り調査のほぼ半分が、

行政による避難、自主避難だった。

福島からの避難を理由にした「差別」については、

80%が「感じられない」と回答。

周囲からの心ない発言やネットの書き込み、

「ナンバーをじろじろ見られた」などの理由で20%が「感じた」と答えた。


健康不安は58%が、子どもの将来や避難時の被ばくなどを理由に、

「ある」とした。

国内の原発の今後については、

「即時廃止」が42%、

「時間をかけて廃止」が56%で、「存続」は2%だった。


言うまでも、日本の原発推進政策を進めてきたのは、

「自民党」である。

だが、安倍政権が政権を奪回して、自民党の原発に対する、

意思表示を私は私なりに見守っている。

現段階ではどうこう言えない。

安倍政権はアベノミクスが一人歩きしている。

これはメディアにも責任の一端がある。


「原発ウオッチャー」としては、なるべく、被災地、東京を

頻繁に行き来しているわけで、

他にはない視点から、間もなく震災から2年になる節目から、

この問題に取り組んでいきたい。


余談だが、福島県や東北地方関連ニュース(いずれもNHK)では、

「今日の風向き」「明日の風向き」が報道されている。

これは裏を返せば、メディア自体が原発事故の影響で、

放射能汚染が深刻であることを物語っている。

少なくとも、私の感触では、首都圏在住の多くが、

この事実を知らない。

対岸の火事と言ったところか。