衆議院が解散した。
新聞各紙を読むと、まあ、こんなにお金と時間をかけなくてもよいというほど、
総選挙の事情が書いてあった。
でも、解散となると、あの、バンザイ、日本だけだろう。
で、本題。古巣の毎日新聞朝刊の話をしたい。
一面の腹(業界では真ん中をこう呼ぶ)と下に政治部長の、
前田浩智君の署名記事が書いてあった。
一部、手短に抜粋する。
この2日間、野田佳彦首相と安倍晋三・自民党総裁が切り結んだ
党首討論が大きな話題になった。
次期通常国会での衆院定数削減の実現を提案し、
それを確約するなら「16日に解散をしてもよい」と迫る首相と、
即答できなかった安倍氏のテレビ映像を何度も目にした。
「民主党の獲得議席を10ぐらい増やしたかもしれない」(自民党長老)
=私は調べてすぐ分かりましたが、何で分かったかは守秘義務があり、いえません=。
軍配は首相に上がったが、論点はそこにはない。
で、この記事を書いた前田政治部長。
実は同期入社である。
私の振り出しは愛知県。前田君は北海道。
このパターンはあまり、出世しない。同業他社でもそうだろう。
しかし、私はない頭を絞って、スクープを売り物にし、自他共に認める、
「特ダネ記者」だった。それを売りにして、なんとか東京本社にカムバックした。
しかし、前田君は違った。政治部の雑用のため、札幌からお手伝いに来たのだが、
事務処理能力が人一倍あったのだ。
つまり、他の記者が書いたことをチェックすることもできた。
これは、ということになり、異例の札幌報道部からの有り得ない栄転。
私もデスクワークする身分となり、普通の会社で言えば、課長、ゆくゆくは部長、
というところまで行ったのだが、いろいろあって退職した。
詳しくは今、書いている本で触れてある。
毎日新聞という会社は、「頑張れば、頑張るほど、上に行くことができ、評価される」
といういたって民主的な会社だった。
それが全てではないが、派閥力学でなりたっているような会社ではなかった。
だから、私は16年間という短い時間ではあったが、
この会社に籍を置いた元記者として、今だに誇りをもっている。落涙。