野田佳彦首相にとって3度目となる内閣改造から3週間。


論功行賞的な人事だったといえるが、ここにきて、


田中法相が引き起こしたスキャンダルが明るみに出て、


民主党内はもう「党内融和の限界」に来ている。


「在庫一掃内閣」「最後の思い出づくり内閣」と揶揄されたこの組閣だが、


29日召集予定の臨時国会は波乱含みだ。


こうした状況を自民党の石破茂幹事長は次のように批判している。


「不適格で交代した閣僚が非常に多い。任命の際、その分野に通暁し、


官僚を使いこなせる要素を勘案したら、こんな失敗が起きるはずがない。


任命責任は重大だ」


まあ、はずれてはいない。


民主党内の野田首相派は約20人。これでは乗り切れない。


そこで、野田首相は代表選で貢献したベテランらを起用することで、


乗り切ろうとしたのだが、この体たらくである。


鳩山、管、野田3内閣で、辞任したのは法相9人、拉致担当8人。


民主党内でくすぶっている「輿石人事」だ。


つまり、実質上、党内をまとめている輿石幹事長の「党内融和路線」が、


結果として失敗に終わったわけで、その責任の所在において、


輿石氏が身内からも批判されているのが実情だ。


もう総選挙の結果は目に見えている。


一度は、やらせてみればいいのではないかという向きには、


民主党の3内閣はどれほど疑問符がついたかは、


ここで書く必要はないと思う。


何か、選挙前になると、私は過剰に反応してしまうのだが、


次の衆院選は、あまり、どきどきしないだろう。


まあ、安倍さんがどういう組閣を行い(たぶん、お友達内閣はないと思うが)、


どう、諸課題に取り組んでいくのか。


お手並み拝見しようではないか。