本を読もうと思ったら、以前このブログで、一時期、「運命の人」の紹介やら、解説やらをしている、
時期があった。
で、当事者である西山太吉・元毎日新聞政治部記者の書いた、
『沖縄密約ー情報犯罪と日米同盟』(岩波新書)を読み終わった。
その時にはこの書が読みかけ中だったので、読了したら、紹介すると私は書いた。
で、お約束通りにするが、これは私の個人的な見解も入っている。
ストーリーは『運命の人』(山崎豊子著)に譲る。
結論から言うと、私の世代はこの話は最初、ピンとこなかった。
ただ、会社に入り、販売部局とか話の中で、あの西山事件が、部数を減らした・・・・
などの話は耳にした。当時はネットも普及していなくて、
新聞・通信社の記事データベースなどいろいろ調べていった。
ただ、それに気付いていた方の記者の方が圧倒的に多く、
「お前、そんなのも知らないの?」とばかにされたことを覚えている。
ただし、記事データベースの中ではざっくりは載っていなくて断片的な情報だった。
それをもとに縮刷版を読んで、その時点ではじめて知った。もう10年早く入社しないと、
リアルタイムに知る事はなかっただろう。
で、顛末。西山氏は反佐藤英作総理派で、当時はベトナム戦争の泥沼化時代。
暗殺されたケネディーに破れたニクソンが復活した時代でもある。
そうしたなかで、対中国、対ソ連の前線基地として沖縄が基地問題をはじめ、
占領下ゆえの苦しみの時代でもあった。
そうしたなかで、佐藤英作は無策と言われながら、沖縄返還を政界引退の花道としようとした。
このあと、西山氏が行ったことは、このブログで確か4回書いているので省く。
焦点は「沖縄密約」から「機密漏えい」へすり替えられる。
そして、2000年5月、「密約文書」が米公文書館で見つかる。
難解な話の上、長くなるので、以降、手短にまとめるが、
要は密約といってもいろいろなとらえられ方があって、
西山氏は沖縄への核の持込疑惑、さらには基地問題、
いわゆる思いやり予算でも分かる米側への財政的援助など、
沖縄をめぐる矛盾を突いて、後は西山氏の意思を次ぐ新聞記者、放送局記者、通信社記者の
実名をあげ、バトンタッチをしたというところで、幕引きとなる。
重いテーマの上、自分の勉強不足で「現代用語の基礎知識」などで確認したりして、
なんとか、7~8割は理解できたかな、と思った。