先日、このブログでも紹介させていただいた、
山埼豊子さんの「運命の人」(全四巻)を読みました。
この方は、元は毎日新聞大阪本社学芸部記者で、
上司が後に作家となる井上靖さんでした。
この作品は、沖縄返還に伴う日米の「密約」を綴った
外務省極秘文書をめぐってのそれぞれのドラマです。
山崎さん自ら取材し、フィクションにまとめあげました。
モデルは、元毎日新聞政治部記者、吉山太吉さんたちです。
外務省のナンバー3をサポートする女性事務官から、
例の密約文書のコピーをもらうが、ニュースソースの関係から、
詳細な報道はできなりました。
それで、ある野党議員に、その文書を渡すが、文書を公にしてしまいました。
当時の政府としてはこれは、アキレス腱を蹴られても同然。
それよりも、取材源の秘匿を破ってしまうことになる。
それで、西山記者、女性事務官が逮捕、起訴。
強大な国家権力とジャーナリズムの全面戦争に沸騰する世論。
そして、初公判となる。