ableは結構な数の本を書いています。
で、その本の中で、先月、お亡くなりになった、女優の長岡輝子さんのインタビュー記事を、
紹介させていただきます。
東北弁のぬくもりがじんわり、心に響いた。
「アンメニモマケジュ、カンジュニモマケジュ・・・」。
盛岡市出身の女優、長岡輝子さんが、同じ岩手の宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を、
盛岡弁で聴かせてくれた。
(このインタビューは長岡さんの自宅の東京・大田区で行いました)。
語り口は温かく、どこか懐かしさを感じさせる。
「賢治さんの作品は標準語で書かれているけれど、本当のニュアンスや心を伝えるには、岩手が一番なんです」
長岡さんは、賢治の詩や童話の朗読会を約25年にわたり続けている。
7年前には賢治の主要作品を岩手弁で、CD8卷に吹き込んだ。
「年とともに賢治さんの地域に根差した考えが理解でき、地域の言葉の大切さを強く感じるようになりました。
だから、CDも盛岡弁にしたの」
賢治の生誕百年に当たる1996年は、とりわけ、方々から賢治絡みの出演依頼が殺到。
88歳にして全国を駆ける。
長岡さんは折に触れ、賢治の詩「原体剣連」を引き合いに、東北人特有の「響き」の美しさを強調する。
この詩で太鼓の音が「DAH」「DAH」と表現されているが、
「東北人が言う時には=ダッダツダ、ダァと、Hが入る。ダダダで読んでも、ちっともリズム感が出ない。
東北人が豊かな感性の持ち主である証拠なのでしょう」