本田宗一郎氏の著書に興味のある記述があった。
平成8年の発行だが、現在の企業経営にも通じる点だ。
「昭和27年に初めてアメリカに行った時、私が一番驚いたのは、22ヶ国もの人種が整然として、ある秩序のもとに生活している事実だった。
ある秩序とは、権利と義務の画然とした世界、ということ。」
「日本では、『四海兄弟皆平等』とくる。まったくうまい言葉だが、深く考えてみれば、すなわち浪花節であろう。
この粘々した情緒が合理的であるべき企業のなかまで入り込んでくるとき、まったく鼻もちならない。」
「企業の機構の中に『親分』『子分』があり、義理と人情で結びつく非近代的な人間関係が、いまだに大手を振ってまかり通っている。
企業と企業との間にもそれがある。
この思想が日本の製品を情けないほどに、弱体化し、到底、世界市場で太刀打ちできぬものにした。」
「世界市場で、製品は正直なものだ。製品にはメーカーの思想が、そのまま表現されている。
誇大な宣伝も、良い訳めいた㏚も何の助けにもならない。
何故なら、言葉や文章には嘘があっても、製品は絶対に嘘を言わないし、言いい訳もしない。
メーカーにとって、製品一つが、そのメーカーのすべてである。」
最後の、文章が本田氏の言いたいことを見事に表現しているようだ。