多頭飼育救済~おわりに~

 

 

1月26日の多頭飼育現場で飼われていた猫たちは、計61頭でありました。61頭のうち52頭は手術することができました(メス27頭、オス24頭)。残る9頭のうちには、高齢であり繁殖能力のない猫や、病気で手術が困難なもおりますが、2月末までに必要な猫には手術をしてゆくこととなっています。

 

今回の多頭飼育救済の猫たちは、一日に一回の食事が与えられておりました。太っている猫はおらず、痩せている猫が多くおりました。

 

(まだ麻酔から覚めきっていない頃の猫たち)

 

手術時には、栄養状態の悪い31頭の猫たちに補液点滴が必要でした。 

 

(補液点滴を受ける猫)

 

また、麻酔が切れる際に舌を噛み切ってしまった猫も出ました。入院となり、舌を縫っていただき、現在は鼻からカテーテル入れて流動食を食べさせてもらっております。シリンジによる給餌が可能になるまで、入院中となりました。

 

(手術翌日の猫たちの様子)

 

また、27頭のメスのうち、14頭が妊娠しておりました。あたたかい室内においては、季節に関係なく妊娠出産を繰り返します。

 

今回の多頭飼育のケースにおいても、4か月未満の幼猫はほとんどおらず、出産しても育つ猫が少なかったことが考えられます。

多頭飼育の環境下では、十分な栄養が取れずにいることで起こる悲惨な現状があります。

飼い主さんは、飼っている頭数が多かったため、妊娠や出産にあまり気づかなかったと、話されておりました。

 

堕胎された胎児たちは、たいへんな数になりました。大切に包まれて、紙袋にいっぱいになって、飼い主様に渡されました。その紙袋を受け取ったねこ友会代表は「命の重み…重い。」とつぶやきました。

 

胎児たちは、飼い主さんに代わってねこ友会によって、懇意にしていただいている、柏市の「どうぶつセレモニー」において火葬されました。

 

 

 

胎児といえどもその数の多さから、とても大きく重く感じられました。骨は残らないかと思われましたが、小さな骨壺に半分ほどのか細い骨がたくさん残りました。飼い主さんの意向により、共同墓地に埋葬されました。

 

 

堕胎せざるを得なかった猫たち、生まれてきても育つことのなかった猫たちが、虹の橋の向こうで幸せであることを祈りながらも、それだけの命が犠牲になったことは、かかわったスタッフたちにとっても、大変悲しいことでした。

 

はじめに2頭のオスメスを家に招き入れ、手術をしなかっただけでも、ここまでの惨状へとふくらみます。避妊去勢手術、TNR活動の大切さを、猫を飼う方たちにはより一層ご理解いただきたいと改めて思う事案でした。

 

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今回の働きに参加したねこ友会有志の中には、平日であったために仕事を休んだ者もおり、それぞれが予定を開けて、大変な労を担ってくれました。猫たちに、少しでも健全な環境で生活してほしい、という一心で、ひとりひとりが寒空の下で懸命に働いてくれました。この働きに参加したねこ友会有志の方たちに心から感謝致します。

 

そして、今回の多頭飼育救済の手術の労をとってくださった、埼玉県のいながき動物病院の先生方、我孫子市の職員の方々、胎児の火葬を請け負って下さった「どうぶつセレモニー」様に、心から感謝、御礼申し上げます。

また、今回、ねこ友会で用意しきれなかったケージと捕獲機を貸し出してくださった、取手の保護団体ポチたま会様と柏のボランティアM様に、心から感謝、御礼申し上げます。

 

これだけ多くの猫たちの手術が可能となりましたことは、皆様の力あってのことでした。

 

最後に、このような多頭飼育の救済のための枠を設けてくださり、今回の資金を負担してくださった、公益財団法人「どうぶつ基金」様に心から感謝、御礼申し上げます。

 

 

「ねこ友会」は、公益財団法人どうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加している「我孫子市」と協働してTNRを行いました。

どうぶつ基金が発行する「さくらねこTNR無料不妊手術チケット」によって行った不妊手術費用については、全額どうぶつ基金が負担しました。

どうぶつ基金のサイトはこちら

 

 

 

 

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