今年も綺麗に紫陽花が咲きました。
毎年真っ白な色をつけて咲いてくれます。
花言葉は元気な女性・移り気・辛抱強い愛情・謙虚

移り気などという花言葉は似合わない気がいたしますが・・・・・。
清楚な白い咢(ガク)に包まれて咲く花も
次第に花の色を変えていくからなのでしょうか。
紫陽花の学名は『オタクサ』
実はこの学名には、深い愛の物語があるのでございます。
鎖国時代の出島にオランダ商館医として来日しましたシーボルトが28歳の時、
17歳の楠本滝さんに強く心動かされて結婚いたしました。
今でいう一目ぼれでございましょうか。
しかし、出島には女は遊女しか入ることが許されなかったため、
表向きは遊女としてシーボルトと暮らしていたのでございました。
シーボルトは、お滝さんを「オタクサン、オタクサン」と呼び、心より愛し
「決して彼女以外の女性を妻に迎えることはない」と
故郷に手紙を送っていたのでございます。
そして2人の間には娘(稲)が生まれ、幸せな日々を送っておりましたが、
ある日シーボルトはスパイの容疑で、国外追放を言い渡されてしまったのでございました。
惚れた相手のために身命を投げ打つ覚悟くらいはできている。
お滝さんも厳しい取り調べを受けましたが、
決して夫・シーボルトの不利になることは話さなかったのでございます。
この時のことを取り調べた役人は、賛辞の念を込めて(歳若く美しいながらも肝すわり候)と
記録に残しております。死ぬる覚悟でひとことも喋らず、
根負けした役人が彼女を解放したのでございました。

オランダに帰国後、シーボルトはもう二度と会うことのできないお滝さんへの想いをひとつの名称に
こめたのでございましょう。
紫陽花の学名『オタクサ』には、国割かれても、
消えることの無いシーボルトのお滝さんへの深い愛がこめられているのでございます。
それが、紫陽花の学名である『オタクサ』でございます。
オペラ「マダム・バタフライ」の蝶々もそうだったように
日本女性は命をかけて愛するのでございます。
最後に私の好きな故事をおひとつ。。。。。
士は己を知る者の為に死し、女は己を説ぶ者の為に容る
(しはおのれをしるもののため にしし、おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
~~男たる者は自分の真価を認めてくれる人のためなら生命を投げ出すし、
女は自分を心から愛してくれる人のためには少しでも美しくあろうと一生懸命に容姿を整える~~
中国の史記の中の一節にてございます。