平和の祭典でしか平和の意義を叫べない。北京五輪開催の意義



2月に入り、北京五輪関連の事柄が各種ニュースで取り上げられ始めました。

その中でいくつか、心に残った言葉がありました。


テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」

(WBS)でのキャスターの言葉でした。

「平和の祭典でしか、平和であること、平和の大切さを訴えられない」


まさに、その通りだと思いました。


アメリカで五輪放送権を持つ、NBCのニューヨーク支局前では、開会にあわせ大規模な反対デモが起こっていました。


アメリカ代表選手、TeamUSAのSNSには、

五輪反対、出場辞退を!という書き込みが多数見受けられ、選手への影響を案じていました。


通常はあまりこちらには写真をはりませんが、

内容を伝える上で必要性を感じましたので、


JasonBrown選手ご本人、USFIGURESKATINGがTwitter、Instagramでアップしていた複数の写真を今回は掲載させて頂きました。


団体戦の直前、ロシアとウクライナの関係が悪化していきました。


団体戦の選手席はロシア、ウクライナ、アメリカという並びでした。

大丈夫なのかな?と思いました。


一部報道では、ウクライナ側にはロシア選手と接触しない様にとのお達しがあったと報じられていました。


参加している各国の選手は、多少なりとも状況を知っていた事でしょう。

複雑な状況であったのでは?とお察し致しました。。


団体戦の選手席もやりづらそうな雰囲気が見受けられました。

そんな中で、選手席の飾り付けをアメリカのJasonBrown選手が中心となって始めました。


ぎこちなさと、緊迫した雰囲気が一気に変わりました。

国同士、世界がどんな状況にあったとしても、

自分たち、選手同士のコミュニティには、敬意と友情を育むことができるのだ!と、言ってくれてる様でした。


@jasonbskates

Twitterand Instagram

USFIGURESKATING SNS より



テンションが高いのはアメリカだけ?と思われた方もおられたかもしれません。

全体的に見て、ジェイソンが作り上げたこの雰囲気が、各国のムードを変えていった様に感じました。
翌日、10か国による団体戦初日の試合前の映像を見ていたところ、
ジョージア、中国など参加している他の国の選手たちが、試合前にそれぞれ飾り付けを始めていました。
案じていたウクライナも、選手席に国旗🇺🇦が飾られていました。

演技後のキス&クライでは、各国選手がそれぞれの国旗、国旗にちなんだグッズを持ちながら、
五輪の場にいる喜びを表していました。
国同士は色々問題があります。

しかし、民間レベル、
選手個々、人間同士は友情を育むことはできるはずです。

平和の祭典である、五輪の場でしか訴えられない平和の大切さがある。

五輪の開催意義はまさにこのことにつきるのではないでしょうか…?

この意義がある限り、まだ、救われる道はあるのではないでしょうか?

ともしびの様なあやうく、ちいさな希望だとしてもあきらめてはいけない。
平和はあやうく、ちいさな、ともしびであるからこそ、
なんとしても守らなければならないと思っています。

詭弁といわれようが、偽善といわれようが…です。
そんなことはどうでもよいことだと思います。
ガタガタ言ってばかりいたら、地球は流れ星になって消えてしまいます。

ジェイソンの二つの演技は人権と命をテーマにしたプログラムでした。

ショートのSinnermanはアメリカに根深く続く、人種問題、人権、マイノリティの叫びをあらわしたプログラム。

フリーは映画「シンドラーのリスト」の世界。
ユダヤ系をバックボーンにもつジェイソンがホロコーストの世界、人権、命の大切さを描いたプログラムを演じました。

映画終盤にでてくるタルムート(ユダヤ教の聖書)の言葉「ひとつの命を救うものは世界を救う」がテーマです。

人権問題がとわれたオリンピックの場で、
ジェイソンは人権と命を問いかけるプログラムを演じました。

演技構成点では10点満点が複数でました。

中継をみた多くの一般の方にジェイソンのプログラムの意味は伝わった様でした。

団体戦では応援にまわり、for the teamに徹していた為、団体戦メダルはありません。

現場にいるスタッフ、アナウンサーの方の中には、なんとかこのプログラムの意義を伝えようとされていた方もいました。
NHK「おはよう日本」ではインタビューをとり、プログラムを紹介していました。

とてもよい内容でしたが、再放送はありませんでした。
決定権のある立場の方からの共感が得られなかったのでは?と推察しています。

実際に「おはよう日本」をご覧になった知人から連絡を頂きました。

どこで、ジェイソンくんの演技は見れるの?と。

ジェイソンは、エキシビションに呼ばれず、とても残念でした。。

テレビ東京で放送がありましたが、でてないからどうせ放送してくれないだろう。。と思い、正直なところ、少しふてくされておりました。

しかし、エキシビション中継前に心に残った演技集、町田樹セレクションが放送されました。
その中には、ジェイソンのフリー「シンドラーのリスト」がありました!

さすが!町田樹さん!!

ジェイソンの衣裳は映画の世界観をあらわしています。
正面からみるとわかりにくいのですが、
スピンやイナバウアーなど横向きになると、

クロスの模様が収容所の鉄条網の様に見える事に気づきました。

鉄条網の向こうの世界、炎、命がうつしだされている様に見えてきます。


町田さんが言及してくださっていたポーズ。


2019年に最初にシンドラーのリストを演じた時にはなかったポーズです。

五輪シーズンにむけて改訂された時に追加されたポーズで、北米、ヨーロッパのファン(ユダヤ系の方も含む)の方々から、驚嘆の声が上がっていたポーズです。


InsideSkating様の写真にそのポーズがありました。こちらのポーズは演技終盤に入ります。



ポーズひとつにユダヤの人々の苦しみ、抑圧された状況、感情全てがあらわされている。。


このポーズはとても重要で深い意味を持っていると感じていました。


町田さんはそのあたりの意味をしっかり理解し番組内で伝えて下さっていました。


町田さん!さすがです!!お願い飛び出すハートえーん



ジェイソンの「シンドラーのリスト」冒頭では、映画後半、手違いで収容所に送られてしまったシンドラーの従業員の女性たちが雪と灰(焼かれてしまったご遺体の灰)がまう、モノクロの収容所の世界での恐怖が描かれる場面での曲が流れています。

中盤では敗戦により逃亡者となったシンドラー夫妻を助けられたユダヤの人々が助け逃がす場面の曲、終盤は映画ラストで撮影当時に在命だった実際の生存者の方々と、演じられた俳優の方々がエルサレムのシンドラー氏の墓に追悼の石をおいていく場面の曲が流れています。

有名なテーマ曲のメロディにあわせて、ジェイソンの美しいイナバウアーが入ります。
映画ではシンドラー夫人であるエミリアさんご本人が墓に追悼の石をおく場面で流れている曲です。

ジェイソンのプログラムは深い祈りの様でした。

ラストで氷にふす場面は、
敗戦時に「もっと救えたのに。それをしなかった…」とシンドラーが悔やみ泣き崩れる場面を思いだします。


今の時代に、今の世界の状況時に、

この「祈り」のプログラムが世界にむけて演じられたことは、奇跡の様な事ではないかと思っています。


これまでもジェイソンは過小評価をされている様に思っています。



個人的には、JasonBrownはもっと評価されるべき人だと、強く思っています。






誰よりも平和的で、国、人種に関係なく、
誰に対しても公平であり、優しさと愛にあふれた
世界の希望の様な人物であると思っています。

そして、沢山の人に、とても愛されている人です。





We Love You!JasonBrown!⚓🇺🇸⛸️🎌