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中国武漢市で新型コロナウイルス感染が急拡大して早々に、トランプ大統領は中国からの渡航者の嚴しい制限を発表しました。
この効果は始めのうちは極めて高かったものの、次第に感染者が増えだして、今やアメリカでの感染者は急拡大しています。
日本では「国民皆保険」が徹底していて、何か体調がすぐれなければ病院のお世話になるというのが一般的ですが、アメリカは一般的ではありません。
アメリカでは2750万人もの人が全くの保険未加入です。
アメリカの人口は3億2750万人程ですから、約8,5%の人が何の健康保険にも加入していないことになります。
その上、アメリカは医療費がバカ高い!
インフルエンザの検査と薬代だけでも6万円ぐらいかかるとのことです。
ハーバード大学の分析結果ではアメリカの医療費が高い理由は主に下記の3つの理由です。
まずは医療施設の管理費用が高いこと
そして、薬剤費が高いこと
その上、医師の報酬が高いこと
この為に保険未加入の人は、体調がすぐれなくてもおいそれと気軽に病院へ行くことは出来ないわけです。
更にアメリカでは会社員は当然有給休暇は認められていますが、先進国で唯一、病気による有給休暇を認めていません。
「来週の水曜日は結婚記念日なので会社休んで家内と一緒にいます」
これは有給休暇OKです。
「今日は熱が出て会社休ませて下さい」
これは有給休暇NO!で欠勤扱いになるということです。
こうしたことによりアメリカでは、最低給与水準の労働者の有給休暇取得率はわずか30%程度にすぎないということです。
少しぐらい体調が優れなくとも、病院には行かず、体調不良のまま仕事に行かざるを得ない人が大勢いるわけです。
このアメリカの実情そのものが、新型コロナウイルス拡大の「時限爆弾」と言えますよね?
オバマ大統領は「オバマケア」を推進して、アメリカ国民の健康保険加入に努めました。
ところがトランプ大統領は、オバマ大統領の政策をすべからく否定しています。
オバマケアだけではなく環境問題対応のパリ協定もイランの核合意もオバマ大統領時代に決めた国際協定も全て”無し”にしています。
オバマ大統領時代に一度は向上した健康保険加入率もトランプ大統領になってからはどんどん加入条件を厳しくしてしまったため下降の一途です。
しかし今回のコロナ危機ではアメリカという国家の脆弱さがモロに出てしまいました。
新型コロナウイルス感染者が急増する中、現在アメリカでは11月の大統領選挙に向けた民主党代表選挙が行われています。
国民皆保険、大学奨学金の国費での返済等、弱者を救済して、より平等な社会を目指すサンダース候補と従来のアメリカ政治を大きくは変えない中道派のバイデン候補の一騎討ちになってきました。
アメリカ民主党は、極端な政策を掲げるサンダース候補ではトランプ大統領には勝利できないと判断したのでしょう。
当然と言えば当然です。
アメリカと言えば自由競争の最先端の国ですから、弱者救済の国民皆平等の社会主義的な考えは本来受け入れない国です。
ところが自由競争の行きついた結果が、あまりに広がり過ぎた経済格差を生み、将来に希望が持てない若者から指示を得てサンダース候補は民主党大統領選挙代表候補になりました。
本来の民主党関係者(中道派)は結構善戦していた他の候補者を降ろさせて、バイデン候補一人に中道派支持者の票を集中させる動きを顕著にしています。
民主党は、明らかにサンダース候補を外す動きに出た、ということです。
しかしこのアメリカの新型コロナウイルスの急拡大の中ではどうでしょうか?
かえって国民皆保険を公約に掲げるサンダース候補の方が共和党トランプ大統領に勝利するには有利になるかもしれません。
それがアメリカという国家にとって良いか?悪いか?はわかりませんが、、
世の中というのは、思惑と現実がまるで逆に動くことがある
その好例かもしれませんね?