エピファネイア(牡4)
父シンボリクリスエス(ロベルト系)
母父スペシャルウィーク(サンデーサイレンス系)
「アナタハ、カミヲ信ジマスカー」
玄関に二人チームで、怪しい人がやれ聖書やら何やらと商談(笑)を持ち込んで来るときがありますが。
そんな時は苦笑いしながら皆こう言うだろう、「間に合ってます」もしくは「急いでるんで」。
寝そべりながら、剥いたリンゴを頬張り、グリーンチャンネルで競馬を見ていてどこが「急いでるのか」。
断る時に罪悪感を感じるのは嘘を言ってるからか?それでも「興味が無いので」と止めを刺せない自分。相手が傷付かない様に嘘をつく。そんな自分は彼らが神と崇めるキリスト以上に慈悲深いのではないか?そんな訳ない。ノーと言えない日本人なだけ。
今回の注目馬、エピファネイアはキリスト教に関係のある名前。それを語るには母シーザリオ(父スペシャルウィーク)の事から話さないとならない。
シーザリオとはシェークスピアの作品「十二夜」の主人公ヴァイオラが船で難破し身を守る為に、死んだ(と、思っていた)兄そっくりに男装した時に名乗った名前(本来シザーリオ)。
馬のシーザリオは筋骨隆々で、まさに男勝りな競争馬。オークス(東京2400m)、アメリカンオークス(ハリウッドパーク2000m)とG1を連勝。名作「十二夜」の主人公の名に恥じない競争馬になった。
そしてこの「十二夜」とはキリストが生まれたクリスマスから12日目、1月6日の夜に行われる「公現祭」の事。この公現祭がギリシャ語でエピファネイアと呼ばれる。
特別な日(スペシャルウィーク)に行われる公現祭(エピファネイア)。その特別な日、クリスマスから十二日後の1月6日の十二夜。シェークスピアの作品「十二夜」で主人公のシザーリオ(シーザリオ)。
競馬はロマンとよく言われるが、スペシャルウィーク、シーザリオ、エピファネイア親子の名前にはロマンしかありません。馬主に拍手ー。
ついでに父シンボリクリスエスは天皇賞秋(東京2000m)、有馬記念(中山2500m)を連覇した名馬。特にラストランとなった有馬記念では4角先頭で2着のリンカーン(父サンデーサイレンス)に1.5秒もつける圧倒的勝利。自らの引退を派手に飾った。
父、母父、母から素質を受け継ぎ、クラシックディスタンスの王になるべくして産まれたエピファネイア。まだ勝利のない東京2400mのジャパンCで二つ目のG1タイトルを獲得出来るか、注目の一戦である。
エピファネイアの初戦は京都1800m。クラシックを勝利する。それを宿命づけられ産まれた本馬。こんなところで負ける訳にはいかない。
スタートからじわっと8番手につけ、レースの流れに乗る。直線を向いても前が壁、そこからカニ歩きで外に出して一気に加速。並んでから瞬時に突き放し上がり33.5秒の脚で完勝。2番手の馬が上がり34.5秒で上がる超スローペースをラスト1Fで交わして突き抜け、血の力を見せつけた。
2戦目は京都2歳S(京都2000m)。来年のクラシックに向け、このレースから2000mを使い始めるのだが、それとともに新たな戦いも始まった。他馬と競いあうのは当然だが、エピファネイアは己とも戦わなければならなかった。
距離が延びて行きたがる面が出てきたのだ。前半行きたがったが、今回は1枠だった為、上手くコントロールが利いて完勝。
ラジオNIKKEI(阪神2000m)は壁がなくとも折り合いついて勝利。休み明けの弥生賞(中山2000m)は全く壁を作れず、4着に敗退。皐月賞(中山2000m)はコパノリチャード(父ダイワメジャー)が作り出すハイペースのおかげでかかり癖はマシ。それでもかかり気味で2着。勝ち馬ロゴタイプ(父ローエングリン)に食い下がった。
折り合いにあまり進境がないまま本番のダービー(東京2400m)を迎えてしまう。血統的にはここがベストと言えるが距離が伸びてやはりかかってしまう。鞍上は壁を探しに右往左往。なんとか折り合い、直線は外から33.9秒の末脚で完全に抜け出した。
そこへ満を持してキズナ(父ディープインパクト)&武豊が鋭い脚で襲いかかる。1/2だけ交わされてエピファネイアは2着。父シンボリクリスエスもダービーは2着。しかもその時の勝ち馬タニノギムレットの鞍上も武豊。天才武豊に再度差され、父の無念を晴らすことは出来なかった。
夏を休養にあて神戸新聞杯(阪神2400m)に出走。夏を越して大人の階段を上り始めたエピファネイアは、春ほど酷いかかり癖を見せずに折り合う。そして自ら動いて完勝。
そしてクラシック最後の1冠菊花賞(京都3000m)。前走で折り合いに進境を見せたエピファネイアだが、距離が伸びて流れが遅くなる事、ゲートから出て、最初の坂を下った後の向こう正面。大歓声が飛び交うスタンド前をいかにこなすか?かかるエピファネイアには乗り難しいコースだ。
内枠だったエピファネイアは果敢にも先行。前に2頭馬を置いて我慢の競馬。向こう正面に差し掛かり、いつもの大歓声。しかしエピファネイアは上手くやり過ごす。向こう正面を抜けコーナーに差し掛かる頃には完全に折り合った。勝負ありと言えた。
後は4角から徐々に動いて直線は独壇場。1頭だけ別次元の脚で2着のサトノノブレス(父ディープインパクト)に5馬身をつける圧勝。最後の1冠菊花賞を勝利。三冠戦線、惜敗続きにピリオドを打ち、春に勝てなかった鬱憤を晴らした。
その後は産経大阪杯(阪神2000m)で3着。叩いて向かったクインエリザベスC(シャティン2000m)では4着。
半年休養し、天皇賞秋(東京2000m)に出走。長期休養明けでまたいつものかかり癖が顔を出す。馬番5番と絶好な枠を引いたが前半から全く壁を作れず右往左往。ダービーと同じように下手な福永。前半溜めを作れずレースは流れ、直線へ。
休み明けで、前半あれだけかかったからしょうがないのだが、前がガバッと開いたのにチョロっと脚を使って6着。
ただ、勝ち馬とは0.2秒差。前半、全くレースにならなかった割に僅差の競馬をしている。天皇賞秋を叩いて次走の上積みは大きそうで、ダービーでかかりながら勝ちに等しい競馬を見せた東京2400mならもっと鋭い脚を使える。
叩き2戦目なら、天皇賞秋程はかからないだろうから、外枠でも競馬が出来そう。しかし内枠である程度前にポジションを取れれば確勝。と言い切ってもいい位、このジャパンCとの血統、脚質の相性は良い。
ここ最近のジャパンCはほとんどの勝ち馬が内、ある程度前で競馬をしている。エピファネイアは先行力があり、長くいい脚が持ち味で溜めて斬れる脚もある。母母父のサドラーズウェルズは東京コースと相性が良く、母母父にサドラーズウェルズを持つスピルバーグがまさに天皇賞秋を勝ったばかり。適鞍だし、流れも来ている。
今回は福永からスミヨンに乗り替わり、更に期待できる。
自身、惜敗のダービーと共に父が勝てなかったジャパンCのリベンジを果たして欲しい。