メイクアップ(牡3)
父オレハマッテルゼ(サンデーサイレンス系)
母父サドラーズウェルズ(サドラーズウェルズ系)
「俺は待ってるぜ。1200mを使うのを待ってるぜ!」と言わんばかりに、待ちに待った初の1200m戦の高松宮記念(中京1200m)でG1初制覇したオレハマッテルゼ。
名牝エアグルーヴ(父トニービン)の甥っ子という素晴らしい血統からクラシック路線にと期待され、デビューから2000mを使われて最終的に1200mでG1を勝った、名前同様面白い馬。
産駒はやはり父同様マイル以下が主戦場。代表産駒のハナズゴールがオーストリアのオールエイジドS(ロイヤルランドウィック1400m)でG1勝ち。
日本には1400mのG1がないので遠征した陣営とオーナーに拍手~。
ってこのままだとメイクアップはマイラーと言うことになってしまうので母系を紹介。
母父がサドラーズウェルズ、母母父がヴェイグリーノーブルと欧州丸出しの硬質なスタミナ血統。柔軟さに欠け、もし日本の競争馬だったら未勝利も勝ち上がれないような晩成型血統。
しかしサンデーサイレンス系は母系の良さだけを引き出す、素晴らしい種馬ばかり。
同じサンデーサイレンス系ディープインパクトが貴公子タイプなら、オレハマッテルゼは泥臭い叩き上げタイプ。
スマートさはなくとも、しぶとく×2喰らいつくオレハマッテルゼの特性と母系のスタミナが結び付き生まれたのが本馬である。
これだけ重い血統でも能力が高いのか、いくら母系が重くてもやはりサンデーサイレンス系なのか、新馬戦(阪神1800m)から素軽い動き。4番手につけて直線を向く。
1000m通過が63秒と超スローペースで上がりの勝負。瞬発力…というタイプではないのであっという間に上位陣から離されていくが、ジリジリと他馬を差し返し4着。能力の片鱗を見せる。
その後、未勝利でも足踏みしていたが5戦目にして初勝利。中京2000mの不良馬場。
中団8番手につけたメイクアップはコーナーで差を詰める 。しかしスローペースで逃げていたキュールエラピス(父チチカステナンゴ)はセーフティーリード。
鞍上の酒井が追いまくる。追う度にグイグイと末脚を伸ばし、中京の不良馬場をものともしないパワーと長くいい脚で力任せに差しきった。
その後、はなみずき賞(阪神2000m)では神戸新聞杯(阪神2400m)2着のサウンズオブアース(父ネオユニヴァース)と0.1差の4着。斬れ味勝負となり適性外のプリンシバルS(東京2000m)でも3着。
能力の片鱗を見せながらも母から受け継いだ、欧州ステイヤーの血が開花するのを待つ。
一息入れ、渥美特別(中京2200m)4着。糸魚川特別(新潟2000m)では2着。糸魚川特別ではショウナンパンドラ(父ディープインパクト)に新馬戦で突き放された6馬身1/2の差が2馬身1/2まで縮まっていた。
燕特別(新潟2200m)で500万下を卒業し、菊花賞トライアル セントライト記念までなんとか漕ぎ着けた。
菊花賞に出走するにはこのセントライト記念で3着以内に入らないといけない。今年は中山開催が無く、ロング開催となった新潟で行われるのはメイクアップにとって幸運だった。
開催が進んでいない中山コースは例年かなりの高速馬場になっており、坂は無くなるが荒れ放題の新潟芝でレースが出来るのはパワータイプのメイクアップにとっては願ったり叶ったり。
しかし新潟内回り(1200.1400.2200.2400m)は外を回すとロスが多く、内枠&先行馬が圧倒的に有利なコース形態で、1番不利な大外枠を引いてしまった。今夏も外枠に入った有力な差し馬が外を回し、人気を裏切るパターンがかなりあった。それほど外を回ったら不利なのだ。
テンのスピードがそれほど速くなく、長くいい脚で勝負するタイプのメイクアップ。この枠では外を自ら動きながら捲るしかない。
予想通り外枠から先行したトゥザワールド(父キングカメハメハ)とインコースでトゥザワールドを見ながら競馬し、一瞬で交わし去ったイスラボニータ(父フジキセキ)で決着し、メイクアップは6着。
ほとんどが逃げ先行で決まる新潟2200m戦で、大外を追い上げ直線半ばまで素晴らしい脚を使っていた。6着といってもかなり優秀な結果である。
この結果から兵庫特別(阪神2400m)ではハンデが53㎏と言うこともあり人気になると思われるが、単複でドカンと勝負したい。
阪神2400mなら新潟2200ほど内外の有利不利はないし(若干外が不利だが)、長くいい脚を使えてパワーがある本馬にとって阪神コースは「庭」。
東京でも3着に来れる程度の瞬発力も有しており、もしスローペースで流れても対応出来るだろう。ここを勝って是非とも菊花賞に駒を進めて欲しい。
ズブズブのステイヤーでは高速馬場の菊花賞をこなす事は出来ないが、本馬は母系がズブズブのステイヤーでも父サンデーサイレンス系の軽さがある。ここを勝てる実力があれば、菊花賞でも足りるはず。
ステイヤーが3歳夏から変わり始め、秋には見違えるほど成長し、菊花賞で穴をあけるパターンをよく目にするが、
菊花賞に向け本馬のメイクアップはもう始まっている。