4枠8番サトノアラジン(牡3)
父ディープインパクト(サンデーサイレンス系)
母父ストームキャット(ストームバード系)
全姉にエリザベス女王杯2着のラキシスを持つディープインパクト牡馬。ディープインパクト×ストームキャットはニックス配合。他にもダービー馬キズナ
や桜花賞馬アユサンなどが同配合でG1を勝っている。
母母父がFoppy Dancer。スタミナ豊富なファピアノ系でスピード、スタミナ、バランスのよい配合になっている。
デビュー戦は新潟1600m。断然の1番人気に支持されたサトノアラジンは中団後方をゆったりと追走。直線は外に出し、ゆったりとした跳びだがみるみる他馬を突き放し楽勝。
2走目は東京スポーツ杯二歳S(東京1800m)。出たなりの位置での競馬。9番手で折り合い直線勝負。
上がり33.6秒の末脚で迫る。が、先行馬も軒並み34秒前半の上がりでまとめ、差が詰まらないまま5着でフィニッシュ。勝ったのはこの先、皐月賞を勝つイスラボニータ(父フジキセキ)。
3走目はラジオNIKKEI杯(阪神2000m)。少し出負けし気合いをつけての追走で少しかかる。戸崎も道中動いて勝ちに行く競馬を試みるが、前が詰まったりチグハグな競馬。
直線も外から蓋をされインに突っ込むが、跳びが大きいからか窮屈な感じ。流石の瞬発力を発揮したがまともに追えないまま3着でゴール。勝馬は後のダービー馬ワンアンドオンリー(父ハーツクライ)。
少し間隔を開け、4走目は共同通信杯(東京1800m)。まずまずのスタートを決めたサトノアラジン。かなりのスローペースで各馬折り合いに苦労。サトノアラジンも手綱を引く不利でポジションを下げた。
しかし勝負師岩田が3コーナーから捲りに出て4角で捲りきり直線へ。直線もそれなりに伸びてはいるが、インから外へ出しサトノアラジンに抜群の手応えで迫る馬が。
持ったままで接近しサトノアラジンの33.8秒の末脚を上回る、33.1秒の脚で一気に抜き去る。またもやイスラボニータである。結局サトノアラジンはイスラボニータの3着。
器用にインから競馬が出来て、前につけても鋭く伸びるイスラボニータとは対照的に、
インに行けば詰まり追えない。外を回れば届かない、捲っても最後まで押しきれないサトノアラジン。
素質は互角以上の物を持っていても不器用で発揮しきれない。サトノアラジンにはいくつもの課題が浮き彫りになった。その後、ゆきやなぎ賞(阪神2400m)を使ったがファビラスラフィンの息子、シャンパーニュ(父チチカステナンゴ)を捕まえきれずに2着。
3ヶ月休養し、夏の中京から始動。勝ちきれない過去を捨て、新たな自分を探す為に選んだレースは茶臼山高原特別(中京2000m)。休み明けながら断然の1番人気に支持された。
鞍上にはパートン。オーストラリアの名手だ。海外の騎手を乗せると馬が「動く様になる」と言われるが、パートンはサトノアラジンに新たな「走り」を手に入れさせる事が出来るのか?
ゲートから出るとパートンは手綱をしごき前に行こうとする、初の先行策。
サトノアラジンもかなり最初はイヤイヤしていたが、流石はWSJS(ワールドスーパージョッキーシリーズ)優勝ジョッキー、テン乗りでも御せる。
レース中盤にはすっかり落ち着き、2番手を追走。直線は早目に仕掛けて上がり最速34.3秒の末脚。これでは後続は為す術もない。
跳びが大きく馬群を捌けずにいたサトノアラジンが、先行策から抜け出すという新たな「走り」を手に入れた。これならば自ら動く事も出来るし他馬に邪魔されにくい。跳びが大きい事が弱点になりにくい、ベストな戦術に思えた。
名手の導きで新たな戦術を身に付けたサトノアラジンは小倉に遠征。九州スポーツ杯(小倉2000m)に出走。今度は直線の長い中京と違い小回りコース。
お世辞にも器用とは言えない本馬がどう立ち回るのか?1番人気だけに注目が集まる。
大外からジワリと先行。今日のパートナーは浜中。1コーナーを迎えパートナーが抑えると一瞬嫌がる素振りを見せるがすぐに折り合う。3番手で進み、今回も楽な手応えで直線を迎える。
そこからスーッと高級車の様に加速し、またもや上がり最速の34.9秒。1600万下でも好走歴のあるバッドボーイや現級勝ち馬カナロアを全く寄せ付けずに完勝。
先行馬という感じはしないが脚質的にもこれがベストの感がある。長めの距離を先行してじっくり進み、直線早目に抜け出す競馬。まさに全姉ラキシスがこの競馬でエリザベス女王杯を2着してる。
目標になるリスクもあるが、絶対的な能力で押し切るだけの力はある。神戸新聞杯でも勝ち負けになるなら菊花賞でも勝ち負けになる。それだけのパフォーマンスを見せつけ、そして血統的な魅力を持っている。
春の勢力図を塗り替える。そんな1頭になる予感がしてならない。