
サリーは新しい映画の構想を練るのに疲れ、街を歩いていた時目にとまったタンゴの教室にふらりと入り一度だけレッスンを受けました。そしてそれが忘れられず、ブエノスアイレスへ行ってタンゴの練習をしました。
そして最初のレッスンを受けたパブロに再会した時、相手が驚くほど上達していました。サリーとパブロはさらにレッスンを続け、いつかサリーはパブロを愛するようになります。けれども妥協を嫌う芸術家同士の恋は一筋縄ではいかない・・・。
そんな二人が夜の通りや川べりで踊る、背景は霧であったり雨であったり川面を行く船の明かりであったり。画面はモノクロ、美しく印象的でした。
私の30代の頃はタンゴの全盛時代だったと思います。アルゼンチンタンゴ、コンチネンタルタンゴ、アストル・ピアソラの前衛タンゴ。「あ、この曲は憶えている。」曲名はわからなくても踊りの場面ではそんな曲が何曲も出てきました。
タンゴのダンスシーンは時に過剰にセクシーであったりするのですが、この映画のダンスシーンは融け合わない二人の心のようにどこか控えめ、それがモノクロの画面と相まって私にはとても素敵に思えました。