フェルメールの仮面 | mimiの独り言

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この著者の本を最初に読んだのは10年余り前のこと、「ゴッホの遺言」という本でした。
「ゴッホの遺言」はゴッホの絵の贋作について書いてあったのですが、著者の本業が画家なので、贋作であるとする論拠の解説が論理的で説得力があり、読んでいると素直になるほどと思えてくるのでした。

その後この著者のゴッホの絵についての本(主として贋作についての本)を数冊読みました。

今回は今までと違って、フィクションで、フェルメールの贋作について書いているというので読んでみました。

フェルメールの絵で取り上げられたのは、ワシントンギャラリーにある「フルートを持つ女」と「赤い帽子の女」でした。このギャラリーでは「フルートを持つ女」は「フェルメールのものと考えられる作品」と表示されているそうです。

この絵については以前「恋するフェルメール」(有吉玉青著)で取り上げられたのを読んだことがありました。この本では著者はきわめて感覚的に、絵の前に立ったときフェルメール時間が流れるかどうかという理由で真贋を判断していました。

「フェルメールの仮面」では贋作について一家言ある著者の本ですから、主人公の考えとして、その絵を描いた画家の利き腕が右か左かという点に着目して二点とも贋作としています。

小説はこの二枚の絵がどんな人物によって描かれたかを1800年代にさかのぼって書いていて、並行して現代の贋作をめぐるシンジケートも出てきます。現代の方の主人公は非常に高い模写の技術を持っていて、その闇の組織に利用されかかるというストーリーです。

「この小説はフィクションであり・・・」という断り書きはあるけれど、贋作をめぐる闇の組織はあるのだろうか? 多分あるのだろうな、そんな気がしてきました。

今までこの著者のゴッホの贋作についての本を何冊か読んできましたが、美術の世界でそれが話題になったなどという話しは聞きません。何十億というお金を出して買った絵が贋作だなどといわれても、それをあっさり認めるわけにはいかない複雑な事情もあるだろうし、やっぱり絵画の世界に闇の組織はあるだろうなとも思いました。

それともう一つ気になったのは、闇の組織の一員による言葉、ルーブルのモナリザなど超有名で貴重な作品は美術館の奥深くしまわれていて、展示されているのは模写なのだという話、これはどこまで本当なのだろうか?知りたいと思いました。