
夫ディーンと妻シンディは結婚して5年になり、知り合った頃は愛し合っていたけれど、今はさめてしまって、ぎくしゃくしながらとにかく一緒に暮らしています。5歳の子供がいますがディーンの子ではないようです。でもディーンは子供をとてもかわいがっています。
シンディは上昇志向が強く、資格を取って看護師として働いている一方、ディーンは朝からビールを飲みながらペンキ塗りの仕事をしています。収入はシンディのほうがずっと多いでしょう。
映画の中では愛し合っていた頃と愛がさめてしまった現在が交互に出てきて、それだけに現在がいっそう惨めに感じられます。
映画の最後はディーンが家を出る結末を暗示して終わります。
この映画を見て私は20年以上前に読んだ「結婚の深層」という本を思い出しました。
その本に書いてあったのは簡単に言えば「結婚は幸せになるためにするのではない。結婚は自己実現への一つの方法(過程だったか?)に過ぎない。だから全員が結婚しなければならないということではない。自己実現の方法は他にいくらでもあるのだから」というような趣旨でした。
結婚は幸せになるためにするのではない、当時私は本当に目から鱗が落ちた気がしました。
話はさらに飛躍しますが、私が40代の終わりから50代のはじめにかけて、私の周囲には離婚願望の強い人が何人かいました。その中の幾人かは本当に離婚しました。また離婚の決心がつかないまま、結婚生活を続けた人も何人かいました。
70代に入った今、昔別れたいと言った人たちは結構落ち着いた夫婦になり、中には「別れなくてよかった」という人もいます。
結婚のきっかけは愛や恋かもしれないのですが、それはどっちみち冷めるもの、そこで別れるか、我慢して続けるか。私の知る限り離婚を後悔していると言った人もいません。それぞれ自活の道を見つけて生きています。
確かに結婚は幸せになるためにするのではない。続けるにせよ続けないにしろ、自己実現への一つの道程なのだ、そんなことを思います。
この映画の主人公たちの何年後かを知りたいと思いました。