
投稿者の住所の欄にはただホームレスとあるだけ。横浜の何処かの路上で暮しているらしい人です。
その人の歌にはきらりと光る知性があり、強く惹きつけられるものを感じます。
(柔らかい時計)を持ちて炊き出しの カレーの列に二時間並ぶ
柔らかい時計とは何かの比喩なのか、でも思い出すのはダリの絵に出て来る、ぐにゃりとした時計です。
美しき星空の下眠りゆく グレコの唄を聴くは幻
ジュリエット・グレコが詠み込まれた歌、グレコが活躍した’50年代に青春時代を送った人なのか、年齢は私と同じくらいかもしれません。
我が上は語らぬ汝が上訊かぬ 梅の香に充つ夜の公園
安易に身の上話などしないストイックな姿勢、知的な風貌が目に浮かびます。
以前はそれ程丁寧に読まなかった投稿歌壇を、この頃はこの人の歌を探して熱心に見ます。この人の歌集が出版されるような時があったら、きっと買うだろうなと思っています。