
印象に残ったのは「恋愛は時間に敗れる」という一節。
「時間は愛を風化させ、絶望も風化させる」のだと。
たしかに熱愛の炎を燃やしてゴールインした恋も何十年か過ぎれば、エロスは死に、惰性だけが残っています。
手痛い失恋の記憶も歳月と共に薄れ、70を過ぎて振り返れば、ないよりはあったほうが増しだった甘苦い懐かしい思い出に変わっています。
そのほかに印象に残った言葉。
「女の価値は死んで墓場に持って行く秘密の数」
ああ、なんと気障な!
でも別に恋の秘密でなくても、あまりに自分をさらけ出すのは慎みがなくて興ざめなもの。何かを秘めているらしい雰囲気はいくつになっても気になる魅力です。
こうしてうまく運んでも運ばなくても、高齢者の仲間入りをしても、やはり気になる、恋とは不思議なものです。