この映画の原作を読んだのは2年ぐらい前でした。その後、映画の方は飛行機の中で見る機会があったのですが、あまりきちんと頭に入っていなかったのでDVDで見直しました。
この小説が映画になると聞いた時、学生時代いくらか数学に関わった私は博士の愛した数式をどんな風に説明するのかなと思いました。
博士の愛した数式はオイラーの等式と呼ばれ、全く起源の異なる重要な二つの定数円周率πとネイピア数eが0、1および虚数単位iによって結びついている重要な等式なので「人類の至宝」とも呼ばれるものです。
原作では実に文学的にこの等式を説明していて、こんな風に表現できるのだと感心して読みました。
映画では原作にはない家政婦の息子ルートの授業風景が出てきて、生徒に自分の生い立ちや数学に親しむようになったきっかけを話すという形でオイラーの等式が語られ、なかなか興味深く数学の美しさに感動できるような説明になっていました。
映画の中で唯一不満だった所は博士の義姉である未亡人が家政婦にかなり具体的に博士との関係を話す点です。原作では家政婦は博士の書いた数学の論文の冒頭にあった献辞とそこにはさまれた写真から未亡人と博士の関係を知ることになっています。未亡人の方は「義弟は、あなたを覚えることは一生できません。けれど私のことは一生忘れません」という以外のことを一切言っていません。私はその方が潔くていいなと思いました。
この映画のロケは私の生まれ故郷上田市近辺で行われました。家政婦が博士の家に行くために自転車で走る道は上田市の西隣の坂城町にあるサイクリングロード、ルートが少年野球の試合をするのは上田市営球場です。他にも千曲市森のあんずの花など懐かしい風景がいくつか出てきました。
本当に感動し楽しめる映画でした。