久々に書きます。


King Gnuの新譜の感想です。

率直に、圧巻でした。


一曲一曲のレビューというより全体通しての感想だったり、感じたことを書きます。

ほんと素人目線のかなりの長文ですので悪しからず。



CEREMONYからタイアップ多めで少し見る目が変わってたKing Gnu。ミレパのアルバムも出して、棲み分けもハッキリしたような気がして、King Gnuは当初からの通り、日本の音楽シーンで戦うバンドなんだなと感じていた。


今回のアルバム発売がアナウンスされた時にも、予想してはいたものの、ほぼほぼシングル既出曲が並ぶアルバムで、うーん、、、と少し思ったのが実際のところ。20曲近くなることやリアレンジすることも言われていたが、まぁいつも通りオープニング、エンディング、数曲のインタールードが入って、アルバムバージョンもイントロアウトロアレンジだなと予想もつく。


私自身めちゃくちゃファンのBUMPだって、数年前にシングル曲ばかりのアルバムを出し、多少批判を食らっていた。


やっぱりシングル曲ばかりのアルバムを、アルバムとしてコンセプトや価値を持たせるには、オープニングやエンディング、インタールードをいかに効果的に入れるかになってくると思う。曲はもう知ってるわけだから、新しい価値を無理矢理プラスしないといけない。そうすれば何となくヒット曲がありったけつまったベストアルバム+αっぽくなって、満足感が出てくる。


色々書いたけど、まぁそんなもんだろうなぁと思って聴いてみると、、、。


あぁ、King Gnuの「新作」だ、、、と考えは大きく変わった。



それぞれのオープニング、エンディング、インタールードには当然効果的で、よりドラマチックさを演出していて、多分もうシングルで聴くのには戻れない。これがこの曲の完成形って感じが本当に強い。

「もともと最初から付け足すつもりだったよね!?」と言いたくなるレベル。


また、驚いたのが既出曲のアルバムバージョン。一途、泡、STARDOMはさらに強い楽曲になっているように感じる中で、特に千両役者、三文小説にはKing Gnuのイズムが垣間見える。

もともとのサウンドからは少し離れたアレンジだから、正直自分含めた多くのリスナーにとっては、この2曲に関してはシングルバージョンの方が好きというか聴きやすいと思う。

でもあえてあのアレンジにしたのにも、先に書いたような+αアルバムを作るのではなく、このTHE GREATEST UNKNOWNというコンセプトのアルバムを作るためにはあのようなアレンジにする理由があったのだと感じる。


中間に散りばめられたアルバム曲に関しても、1st好きに響くようなアルバム曲らしさがあったりかなり良い。



結果として、タイアップのシングルばかりが並ぶアルバムという印象よりも、ミレパのアルバムで感じたようなアルバムとしての「一続き感」がかなり強かった。

サブスク時代、アルバムとして音楽を聴くという価値を、今をときめくバンドが全面に押し出しているのも嬉しい。

次はどうなる??とどんどん聴きたくなる仕掛けに、シングル曲という価値観は忘れ去られていた。




ここで感じたのが、ミレパとKing Gnuの棲み分け。

このアルバムを聴くまで、メジャーシーンはKing Gnu、アンビエントな曲はミレパで、それぞれ別のラインという勝手なイメージだった。

でも今回のアルバムを聴くと、そこの垣根はなくて、ミレパでアルバムをリリースして世間のリアクションを見た経験があったから、今回のアルバムの路線で進めようと決めたような印象を受けた。今思えば、ミレパのFAMILIAもKing Gnuでリリースしてても違和感はない楽曲で、そもそも垣根なんかなかった。元を辿ればSrv.VinciからKing Gnuとミレパに枝分かれして、、、なんてことも考えればそりゃそうか。

とにかく良い"相互作用"が生まれていることに、本当に期待が膨らんでいく。




本当に一緒聴くアルバムだと思います。

是非、次回も「あっ」と驚くものを!