タチアナ・ニコラーエワの弾くバッハ | 阿部太一ピアノ教室 │ 幸手市・池袋・オンラインも対応のレッスン

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埼玉県幸手市・埼玉県さいたま市大宮区にて

ピアノレッスンを行っております、阿部太一です。

本日もご来訪ありがとうございます。

 

 

 

 

昨日、

ついつい欲しくなって購入してしまった

CDが届きました。

 

 

 

 

こちらです。

タチアナ・ニコラーエワの芸術 37枚組

 

そしてまた聴き切れないCDが増えていく・・・

 

 

 

 

 

ニコラーエワというバッハの大家

タチアナ・ニコラーエワ(1924~1993)は旧ソ連のピアニスト。

 

私は中学生の頃、

中村紘子氏の名著「チャイコフスキー・コンクール」で

ニコラーエワという名前を知りました。

 

 

この本は面白いんですよ。

 

 

チャイコフスキー・コンクールという

4年に一度開催される、世界的なピアノコンクールの舞台裏を

審査員である中村氏の目を通して、実にリアルに、ユーモアも交じえて

描いたノンフシクション作品です。

 

中村氏からみた、他の審査員たちについての描写も

本の中にはちょこちょこと出てくるんですが、

ニコラーエワに関しての描写が、妙に子供心に印象に残りました。

 

タチアナ・ニコライエヴァは、バッハの研究家として日本でも知られたピアニストである。

小柄ながらいかにもロシア女性らしく堂々とした体型で、上唇のうえにうっすらとひげがある。

 

ひげがあるんかい、と。

 

 

 

 

 

「ロシア人のバッハ」ここにあり。

 

 

というわけで、

その演奏を聴くよりも先に、上記描写で印象を残したエコラーエワでしたが

初めて演奏を聴いたのは、高校生の頃だったでしょうか。

当時既に亡くなっていたニコラーエワでしたが、

CDは多数発売されており、図書館で借りた記憶があります。

 

ビクターから出ていた

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(1984年録音)

がそれです。

 

実に、いつくしむように大切に奏でられた

指先から味わいがこぼれおちるような演奏でした。

ニコラーエワのバッハがとても好きになったものです。

 

 

 

 

 

そんなニコラーエワのバッハを久しぶりに聴きたくなり、

上記BOXを購入しました。

 

このBOXには

1984年録音(私が過去に聴いたもの)とは違った

1971年録音Ver. が収録されています。

 

 

実を言うと、

懐かしさと思い出のある、1984年の録音を聴きたかったんですが

これは廃盤久しいので仕方ありませんし、

違ったVer.が聴けるのは、それはそれで興味深いことです。

 

 

 

37枚組ということで、何やら色々収録されてるんですが

やはりなんといっても、バッハ平均律。

さっそく、くだんの1971年Verを聴いてみました。

 

 

うーーーーん

 

 

 

とにかく立派です。ビクともしません。ブレません。

ロシアの大地に根差した巨木を連想させます。

太い。

 

そして、基本やはりレガートなんですね。

ノンレガートも必要に応じて使いますが、

ペダルを充分に使った、粘り気ある深い明確なタッチです。

 

やはり、そういった特質が活きる曲でこそ真価を発揮します。

1巻第4番嬰ハ短調のフーガなんか、音の層が何層あるのかという具合に

圧倒されます。ピアノが底鳴りしてます。

これぞロシアンピアニズムの底力。

 

 

 

あれ、しかしなんかが違う。

 

おばあちゃんが孫を可愛がるように慈しんで弾いてた1984年のと、違う。

 

それこそ、なんか、ひげがありそうな感じがする・・・・

 

 

 

私は今回、パワーの放出が半端ない

40代のニコラーエワが弾く圧倒的なバッハを聴いて

変な話、なぜか、遠い昔に読んではずっと忘れていた

「ひげ」の描写を、思い出しました。

 

 

 

素晴らしく充実した、なかなか聴けないレベルの

バッハであることは間違いありません。

 

 

ただ、私が好きなのは、

ちょっと馬力が落ちて、代わりに味わいが指から滲みでてきた

60代になってからのニコラーエワのバッハだということが

よくわかりました。

 

 

 

おばあちゃんになってから録音した

1984年の平均律は残念なことに廃盤です・・・・。

 

 

 

しかし、さらに年月を重ね

最晩年のニコラーエワが残した

バッハ:フーガの技法

は、いつでも聴けます。

ニコラーエワの集大成です。

 

素晴らしくて言葉もありません。

 

ひげだ、おばあちゃんだ、と(私の中で勝手に)色々ありましたが

ここにきてニコラーエワは天女になった感があります。

 

 

 

 

 

 

ある意味、

70年代に残した完璧な演奏で、答えは出ています。

しかしニコラーエワのバッハ愛は、そこで終わることを

よしとしませんでした。

バッハと真に通じた最晩年のバッハを聴くと

その愛の深さ、バッハ演奏家としての生き様に圧倒されます。

 

「ばあちゃん、良かったね・・・・」

と、なんだか思います。

 

 

BOXは高いしかさばりますので勧めませんが

フーガの技法は、(マニアックな演目ながら)ぜひ聴いてみてくださいね!

 

 

 

 


 

 

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