生徒の進路のための面接指導をする際に私は、『好きな人に告白するときに似ている』という表現をよくしている。面接においては自分がどんな人間かアピールできなければ初対面の面接官に自分を知ってもらえないし、ましてや何も言わずにこの学校に入れてくれというのは初対面の好きな人に「結婚してくれ!」というようなものだからだ。
①面接と告白には共通点が多くある。当然緊張してドキドキするし、受け入れてもらえないかもしれない怖さもある。ただ自分が好きになった【相手】に対する思いが確かならその怖さを乗り越えられる勇気が生まれる。
②必要なのは自分がどんなに【相手】のことを好きか知ってもらうこと。それには【相手】のことをしっかり調べて【相手】のニーズを知ること。それに適う人に自分がなれているか理解すること。今現在【相手】のニーズを満たし切れていなくてもいい。それに応えられる努力をするという意気込みが見せられるかどうかが重要だ。
③【相手】に『私のどこが好きなの?』と聞かれたとき、何となくといった曖昧な答えや、自分じゃなくても良いのじゃないかと思わせるような返答では【相手】を口説き落とすことはできない。『あなたじゃなきゃダメ!』とはっきり伝わる理由が欲しい。
④【相手】だってあなたのことを知るために、あなたが努力してきたこと、身につけてきたこと、経験してきたことを聞きたい。それを知って初めてあなたのことを好きになり、受け入れたいと思うから。拙くともしっかり自分の言葉で伝えて欲しい。堂々と伝えられればそれだけでも魅力的に映る。
⑤もちろんふられてしまうこともある。それは自分の努力が足りなかったのかもしれないし、【相手】のニーズを満たすことが自分には難しかったのかもしれない。ショックは受けるかもしれないが、自分に本当に合う【相手】が他にいる可能性もある。次にトライすれば良い。
⑥他にいなかったからなんて気持ちで【相手】に臨まないで欲しい。結局お互いに後悔することになるから。
文章中の【相手】の部分を好きな人に変えれば告白になるし、学校や就職先に変えれば面接の形になる。どちらにとっても重要な心構えで、特に最後の一文はポイントだ。高校を辞めてしまう生徒には実はこれが多く、学校のミスマッチングと言われている。本当に自分で決めた好きな【相手】ではないから別れをむかえてしまっているのだ。思っていた【相手】と違ったなんて言う人もいるが、要は相手のことをちゃんと事前に知ろうとしていないのだ。
本校はそんなミスマッチングをしてしまった生徒達が改めて入学してくることも多いが、本校を本当に好きになって選らんでくれる生徒もたくさんいる。もちろん入学してから好きになってくれる人もいるわけだが、折角ならきちんと本校のことを知ってもらって全力で告白してきて欲しい。