先日、中学校の先生が言っていたこととしてこんな話を聞いた。
「定時制の夜間部って、昼間仕事しているような人が通っていて、年齢層が高いんでしょう?」
実際の本校の現状から言うと、ほとんどの生徒が中学を卒業してそのまま入学してきているから、他の高校と年齢層は変わらない。アルバイトをしながら通っている生徒はいるが、普通に職を持ちながら通っている生徒はごく少数である。つまり他の高校と変わらないのだ。要は昔のイメージからくる完全な誤解だ。
こうした食い違いを生んでしまっているのは高校側のアピール不足や広報活動の不十分さもあると思うが、人の固定観念(思い込み)の影響が大きい。特に昔の夜間高校のイメージを持っている年齢層には、何かしらの理由で全日制の高校に行けない、金銭的な理由で仕事をしながら通わなければいけない生徒が登校している高校と思われる傾向がある。多様な学び方の一つとしてフレックス高校があり、その中には夜の時間帯に学ぶ方法があるとは思ってもらえていないのである。
日本人が好んで使う言葉に、「普通」と言う言葉がある。「こうするのが普通でしょう」、「普通はこうでしょう」と言うセリフはまるでテレビのCMのように毎日耳にするような言葉である。では普通とはいったい何なのかと真剣に考えると難しいのだが、簡単に言うと「世の中の多数が選んでいること」ということだ。高校のことで言い換えれば、「世の中の多数は全日制高校に通うそれが普通」と多くの人が考えているのだ。
こんな話がある。
『赤い帽子の小人レックル』は村の人たちにいたずらをしていた。
『青い帽子の小人ブックル』は村人を助けていた。
ある時ブックルが赤い帽子をかぶって村を訪れたところ、村人から石を投げられた。
ブックルは村人に、「僕はブックルだよ!」と叫んだが村人たちは
「お前は赤い帽子をかぶっているから悪い小人だ!」と言ってブックルを村から追い出した。
これを僕は赤帽子の魔力と呼んでいる。夜間高校に限らず、世の中には赤帽子があふれていて、中をきちんと見てもらえていないことが多い。だから、中身をきちんと見てもらえるように僕たち教員も周囲にきちんと伝えていかなければならない。青帽子はかぶっていないが、本校ではブックル達が一生懸命学んでいるのだ。
今、新しい年度が始まり、新しい出会いがあり、新しい可能性が生まれている。赤帽子は人との関係の中にも見え隠れしている。その魔力に惑わされることなく、いろんな人々の心のドアをノックしよう!!