みなさま、こんにちは。

品川区議会議員の

あべ祐美子です。

 

前回の投稿から少し時間が

あいてしまいました。

 

羽田新ルートの賛否を問う区民投票条例案の審議のため

12月23日~25日の日程で

区議会臨時会が開かれ、

その準備に奔走しておりました。

今日は少し、議会政治っぽいご報告です。

 

区民投票条例案って?

 

この条例案は、

区民の方々が地方自治法に基づいて

法定署名を集め、その高い要件をクリアして

区長に対して条例制定を求めたものです。

 

詳しい経緯はこちらをお読みください↓

 

 

住民投票を求める方々の趣旨は

「国交省は、新ルートは地元の理解を得て

進めると言っていたのに、

地元民である私たちは

一度も意見を聞かれたことがない。

だから住民投票で区民の意思を明らかにしたい」

というもの。

 

請求を受けた区長は、

「重く受け止める」としながらも、

反対意見を付けて、議会に

条例案を提案しました。

 

23日の本会議は、

請求にかかる陳述を認めることを決め、

条例案の要旨を副区長が読み上げて

わずか5分で終了。

(その後、区民投票実現をめざす

超党派議員の集まりで

情報交換と熱い議論を交わしました。

この集まりも30回を超えています)

 

本会議前に、テレビ東京さんが

取材してくださいました。

私は賛成の立場でお話しました。

 

 

24日は休会。

25日が実質審議です。

 

建設委員会では可決

 

25日は、5人の陳述人から意見陳述がありました。

・人口減少とコロナによる移動需要縮小の中で

住民を苦しめてまで航空機増便を図る意味はない。

・南大井在住で、多くの近隣住民が生活に支障をきたしている。

品川で住民自治が機能していることを期待する。

・視覚障害当事者であり、騒音により外出が危険になった。

少数ではあっても障害者の声も吸い上げてもらいたい。

・子育てのために品川区に引っ越してきた人も多いが

騒音の子どもへの悪影響を考えると逃げ出したい。

・区長や区議会が国交省に強く求めていくには

区民の意見をエビデンスとして持っている必要がある。

 

等々、心に迫る内容でした。

 

その後、建設委員会での審議へ。

住民の方々が用意した条例案原案では

住民投票実施時期を

可決後3か月以内とするなど

コロナ感染拡大を想定していない部分もあったので、

冒頭に修正案が出されました。

 

その後、昼休憩も取らないまま

4時間の審議を経て採決が行われ、

委員長を除く7人のうち

自民党公明党を除く4人が

修正案を含む条例案に賛成して可決されました。

 

その後開かれた本会議では、

私を含む5人の議員が賛成討論

3人が反対討論を行った後、採決。

 

議長を除く39人の議員のうち

賛成18人、反対21人の僅差で、

条例案は否決されました。

(議長は裁決に加わりません)

 

 

今回は同じ会派内でも賛否が割れる

状況があったので、賛否の分布は

会派でなく所属政党でみると

分かりやすいです。

 

反対→自民党・公明党所属議員全員と無所属2人

賛成→上記以外全員

 

これからのこと

 

私が賛成をする根拠はシンプルです。

住民の直接請求権は、地方自治法に定められた

住民の権利であり、

その実施には厳しい要件が定められています。

それをすべてクリアして請求された内容は

違法性があったり公共の福祉に反するなど

よほど大きな欠陥がない限り

実現に向けて努力するのが

議会の取るべき立場だからです。

 

住民は条例制定の専門家ではないので、

条文の技術的な部分で不整合があれば

それを修正するのも、条例制定権を持つ

議会の役割だと思います。

 

今回の条例案が通らなかったのは

品川区の住民自治にとってとても残念ですが、

ここで諦めたわけではありません。

保身のために長いものに巻かれるほど

私は政治の世界に染まっちゃってはいないのです。

 

議員による条例提案はいつでも可能ですし

超党派の議員が30回以上も

議論を重ねた蓄積は

これからの議会運営にもいろいろな

変化をもたらすことと思います。