阿部友子 -11ページ目

通し狂言 伊賀越道中双六 

 国立劇場で鑑賞して参りました。全く歌舞伎づいています。

 物語は父、行家を殺された和田志津馬(菊之助さん)と行家の認めていない娘婿、唐木政右衛門(吉右衛門さん)の義理の兄弟による仇討ち。

 見所は政右衛門こと吉右衛門さんが義理の弟志津馬こと菊之助さんに助太刀すべくお役目を退くため、主君の御前試合でわざとあっさり負けて浪人となるところ。実は主君も気付いて、仇討ちを成功させるべく快く送り出してくれます。
 そして仇討ちを成功させるべく、元師匠の幸兵衛(娘を敵方、沢井股五郎に嫁がせようとしている)のもとに素性を隠して潜伏している間、必死に追い付いて来た病身にして乳飲み子を連れた妻、お谷を雪の中追い返し、最愛の我が子を手にかけるシーン。幸兵衛は政右衛門の涙に気付き、事情と気持ちを汲み取って政右衛門と志津馬に敵の居所を教えます。

 涙が。。。もう切な過ぎて仇討ちが成功しても何とも重々しいものが心に残る、そんなご演目。男の義理は壮絶。愛、人情を押し殺しても曲げられないものがあるんですねえ。。。

 途中、色男の志津馬(菊之助さま)に一目惚れしてメロメロになる幸兵衛の娘、お袖にシンクロしてキュンキュンしたり、敵方の奴、助平のとぼけっぷりににちょっとほっこりしたり。魅力的な色々なエピソードも舞台を飾る彩りになっていました。

 「伊賀越道中双六」は曽我兄弟の仇討ち、赤穂浪士の仇討ちと並ぶ日本三大仇討ちだそうで、特に政右衛門が実子を殺す「岡崎」の場は実に44年ぶりの上演だそう。初代吉右衛門さんの当たり役を今の吉右衛門さんが。貴重な舞台、拝見して参りました。眼福・・・!